誰かの心情を”具体的に”知ること

会社・商品の方向性を考えるとき、誰かの”心情”を「具体的に」知ることが必要であると考えられます。

西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)を参考にして。

目次

「想像」や「平均」で決めない

お客様へ向けての方針を決めるにもかかわらず、多くの場合、自社内のみの会議で全体的なデータから決めようとしてしまいがちです。

データから「平均」を読み取っても、「想像」で読み取っても、それはつまるところは”現実には存在しない架空のお客様”の話に過ぎず、ほとんど何らの有効性もないと考えられます。

お客様へ向けての方針を決めるのであれば、費やすべきは社内会議でのデータ分析ではなく、実在の具体的なお客様の話を徹底的に聞くほうが理にかなっていると考えられます。

N1分析

西口一希著「実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)では、顧客セグメントごとの具体的なお客様一人ひとりに焦点を当てる「N1分析」を行うべきとしています。

顧客セグメント

ロイヤル顧客・認知:あり
・購買頻度:高
一般顧客・認知:あり
・購買頻度:中~低
離反顧客・認知あり
・購買:現在はなし
認知・未購買顧客・認知あり
・購買:経験なし
未認知顧客・認知なし

N1顧客の何を理解すべきか

  1. いつ、どのようなきっかけで、ブランドを知ったのか
  2. いつ、どのようなきっかけで、ブランドを買ったのか
  3. いつ、どのようなきっかけて、ブランドのロイヤル顧客化したのか

それぞれのお客様の背景(生活環境、生活習慣、購買行動など)を考えつつ、きっかけとなった「体験」「出会い」を知るために調査・インタビューを繰り返すとよいとされます。

どうして知ったのか何がきっかけで購入したのか購入頻度・使用頻度はどの程度かどのような点からファンになってくださったのか

さらに以下のようなことを探っていくとよいとされます。

  1. 現在の利用の実態
  2. 現在の満足・不満足
  3. 好きなところ・嫌いなところ
  4. 競合ブランドをどのように認識しているか

これら(出来事・きっかけ)を知ることにより、迫力のあるリアルな「認知→顧客化→ロイヤル化」の具体的なストーリーをイメージすることが可能となります。

  • 特別な体験
  • リアルな心理状態
  • どう感じたか
  • なぜそう感じたか

留意点としては、使おうと思った理由(トライアル理由)と使い続けている理由(ロイヤル化した理由)を混同しないようにするという点とされます。

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