【社員全員でGemini活用】OCR・GAS・AppSheet・Canva活用による業務改革ロードマップ

Geminiを業務アシスタントにすることで、非エンジニアでも業務アプリ開発やデザインの内製化が可能になってきました。
社内全員がGeminiと共に歩んだ具体的な業務改革の道のりと取組みについて。

目次

「制度」と「発信」と「タイミング」

2つのきっかけがうまく重なり、進めることができたと思っています。

転機となった3つのきっかけ

以前から、複数の業務管理SaaSによるコスト増や、情報分散による非効率性といった課題は感じていました。しかし、日々の業務に追われ、根本的な解決には至っていませんでした。

そんな状況を打破する転機が訪れました。

  • 「Gemini for GWS」の全社導入
    2024年12月2日、Gemini for GoogleWorkspaceを全社導入し、社内全員がGeminiを気軽に使うことができるようにしました。
  • 「AIスキル開発手当」の導入
    会社として「AI活用を全社で推進する」という明確なメッセージを発信しました。スキルアップへの挑戦が直接評価される制度が社員のモチベーションを大きく引き出しました。
  • 業務の閑散期(6月)
    ちょうど6月申告案件がなく、新しいことに挑戦するための時間を確保できたことも大きな後押しとなりました。

この「制度」と「タイミング」という追い風を受け、”会社が後押ししてくれるならこの機会にやってみよう!”という機運を高めることができました。

Geminiとの第一歩

そして、社員一丸となっての改善活動の第一歩として選んだのが、紙資料の即時データ化でした。

Geminiの超優秀なOCR機能を用いることで、紙資料を即時データ化でき、煩雑な手入力業務をなくすことができました。

あわせて、手入力業務をなくして浮いた時間は、別のより楽しい創造的な仕事に充てていけばよいと発信し、それぞれの個性が活かせる(=それぞれた楽しいと感じる)業務を割り当てていきました。

この小さな成功体験が、”Geminiとならもっと色々な課題も解決できる”という全員の確信に繋がっていきました。

Geminiに相談しながら進めた業務改革

紙資料の即時データ化の成功に自信を得た私たちは、その次に、GASを活用したPDFファイルのスプレッドシートへのタイトルリストアップに取り組み、さらに、個々人へプロジェクト(人間をプロジェクトリーダーとし、プロジェクトメンバーとしてGemini)を組んでそれぞれ業務を割り当て、より大規模な業務改善を行うことにしました。

ここでもGeminiは最高の業務アシスタントとして、私たちの挑戦を力強くサポートしてくれました。

課題Geminiへの相談内容(例)活用ツール成果
紙資料のデータ化この売上請求書PDF議から日付・取引先・取引金額・商品名概要を表形式でまとめてください(例提示)。Geminiデータ化の外注が不要になり、コスト削減を実現
PDFファイルのタイトルリストの一覧化このフォルダにあるPDFファイルのタイトルをスプレッドシートにまとめるGASを考えてGAS一覧化できて分かりやすくなり、探す時間と手間を削減
業務管理SaaSの代替この管理表を、スプレッドシートを元として、マスターシートからシーン別の業務管理シートを、データを転機不要で管理するためにスプレッドシート管理方法を教えて。Googleスプレッドシート(IMPORTRANGE関数、Query関数)高機能なSaaSは不要になり、コスト削減を実現

業務管理SaaSの代替この管理表を、普段スマホでも入力や閲覧ができるようなアプリ作成は、AppSheetで可能か。可能であればAppSheetの作成手順を教えて。AppSheet
業務管理表の効率化毎日の業務管理表入力を、Googleカレンダーの予定表データを取り込ながら、手入力を最小限にするためにGASの活用はできますか?可能であれば、GASの作成手順を教えて。GAS
業務管理表の手入力の時間と手間を削減
HPデザインパーツの作成方法視覚的に分かりやすい事務所駐車場の場所を示すWebデザインパーツを作りたい。
Canvaで作りたいが、上手に作る方法はあるか探して。
CanvaHPの非主要デザインパーツを内製化、コスト削減

特に、プログラミング知識が必要なGAS(Google Apps Script)では、Geminiの能力に驚かされました。
生成されたコードをコピー&ペーストし、エラーが出ればそのエラーメッセージを再度Geminiに伝えることで、デバッグ(修正作業)までサポートしてくれます。

”DX化”などといった仰々しい(わざわざ人を驚かせてアレルギー反応を引き起こすような)お題目を掲げる必要性もありません。
シンプルに、”何をしたいかを見つけ、ただGeminiに聞く”

ほぼこれだけで”できないことはないのでは”と思わせてくれるくらいに、変えることができます。

Geminiがもたらした”全員参加”という最大の資産

Geminiとの業務遂行を通じ、6月前半の目標であった”経費・時間・手間・ストレスの削減”を進めることができました。

また、他にも得られた価値は大きなものでした。

一番の成果だと感じ、とても嬉しくかったのは、社員全員が「まずGeminiに聞いてみよう」と自然に口にする文化が生まれたことです。

これは、「AIスキル開発手当」という制度が後押しになったことはもちろんではありますが、それ以上に、小さな成功体験を皮切りにして、「自分たちの手で仕事をより自分たちに合った楽しいものにしていく」という楽しさと達成感を全員で共有できたことが大きな要因だっと感じます。

この”全員参加の文化の醸成”こそが、コスト削減効果以上の、何物にも代えがたい最大の資産となったと感じます。

これも、「制度」と「タイミング」で可能であったと感じます。

  • 全員が安心していつでも生成AIを使うことができる環境を整える
  • AIスキルアップを評価する小さな仕組みを作る
  • AIによって”業務がなくなる”のではなく、”より楽しい・自分に合った業務に組み替えることができる機会”と発信する
  • 業務が比較的落ち着く共通の時期を狙って、みんなで相談しながら取り組む時間を設ける
  • お互いを思い合う「高い人間性」を評価の軸にする
  • 成功も失敗もチームで共有し、最終的な達成感を人同士で共有する

Geminiなど生成AIの存在によって、いかに”人同士がより楽しく生活できるか”を軸に考えていくことで、よりポジティブな人同士の関係性も築くことができるのでは、と思わせてくれました。

最後に。
スタッフのみんな、本当にお疲れ様!

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