他人への詰問・非難・指摘は、大体の場合、役に立たないと思われます。
D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)を参考にして。
人は他人を矯正したくなるもの
人は、どうしても、他人の欠点を見ると矯正したくなるものです。
ついつい指摘したり、非難したり、詰問したりしたくなりますが、これによって他人が心から改心し、改まるということはほぼほぼ起こることはありません。
人は論理の生き物ではなく感情の生き物
D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)で印象に残った言葉として、以下があります。
およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということをよく心得ておかねばならない。
D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)より
どんなに論理的に相手を詰問したとしても、人という生き物はあくまで感情で動く生き物ということです。
また、他人を論理的に考えようとすればするほど、相手の中にある凝り固まった考えであったり、本質を覆い隠すように複雑に存在しているその人の自尊心や虚栄心がまどろっこしく見えてきて、ともすると考えるだに相手に対して苛立ちを覚えることもあります。
かといって、それを表に出して非難したり詰問したりしたとしても、人は感情で動く生き物である以上、非難したり詰問してしたりしてくる相手を好ましく思うことはまずないですし、むしろ防衛本能が先立ち、どれほど論理的な指摘であったとしても、相手はそれを受け入れることはほぼないと思われます。
他人の欠点より自分の欠点を直すほうが効率がよい
人には誰しも、長所もあり欠点もあります。
ただ厄介なことに、自分の欠点よりも、他人の欠点はとても目に入りやすいものです。
かつ、目に入る以上、ついつい指摘したくもなるものです。
しかし、現実問題として、それをしたとしても意味をなさないどころかトラブルにすらなる可能性のほうが高い以上、他人の欠点を指摘するのではなく、自分の欠点と向き合い、それを直すほうがよほど効果が出やすく、危険も少なく、効率がよいといえます。