聞くためには、適切な環境を整える必要があります。
ケイト・マーフィ著・篠田真貴子監訳、松丸さとみ訳「LISTEN」(日経BP)を読んで考えたこと。
目次
人の注意力には限界がある
人の注意力には限界があるとされています。
様々なことをいっぺんには行えず、何かをするには集中して行う必要があります。
人の話を聞く際にも同様、本気で聞くには、適切な環境を整えなければなりません。
心の状態・物理的空間という面からも、静かで集中できる環境であるに越したことはなく、完全とはいかなくとも、それに近い状態となるよう努めることは、相手に対する敬意・相手の話に喜んで耳を傾けようとする姿勢になりえると考えられます。
例えば、スマホをマナーモードにする、できるだけ音楽などのBGMがないようにするなどです。
食事を一緒に摂ることで得られるものは何か
よく、家族や友人など、親しい人・親しくなりたい人とは、食事を一緒に摂るとよいとされています。
もちろん、単に一緒に食事を摂ることそのものが効果をもたらすわけではありません。
一緒に食事を摂るなかで、好奇心とオープンな心でもって真摯にお互いの話を聞き、関係を深めることができることに意味があると考えられます。
意識を向ける、というプレゼント
相手のことを大切に思っていることの表現として、”意識を向ける”ということがあります。
他人の言葉や感情を自分の意識に迎え入れることは、相手に対する最大限の敬意であり、おもてなしであるとされます。
特に子供にとっては、相手が話を聞こうとしてくれたという経験は、心の支えとなり良い影響を与えるものと考えられ、相手の話に集中し、途切れることなく関心を注ぎ続けることが、なんの飾り気もなくとも確実な礼節を尽くすことへとつながるものと考えられます。