聞くことは、おもてなし

聞くことはおもてなしのひとつの形であると考えられます。

ケイト・マーフィ著・篠田真貴子監訳、松丸さとみ訳「LISTEN」(日経BP)を読んで考えたこと。

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聞くこととは、相手を心の中へ招き入れること

聞くこととは、自分の心の中に相手の感情や考えを招き入れ、そのスペースを作ることであるといえます。

つまり、聞くことは、おもてなしのひとつの形であると考えれます。

そして、聞く過程において、様々なことを話し合うことで信頼関係を築くこととなり、結果として、相手と親密になることができます。

話し手は、相手に「期待」している

話し手は、話す相手には「期待」をしていると考えられています。

  • 質(真実性・信憑性)
  • 量(多すぎず、少なすぎず、受け入れきれる量)
  • 関係(論理的な流れ)
  • 様式(順序立った明瞭さ)

物や動物に話しかけたとしても、上記のいずれも満たされることはありません。

人に話しかけることで満たされるのは、上記の「期待」が満たされる余地があるからであると考えられます。

人に話しかけたとしても、何の真実性もなく、量も少なすぎて(あるいは、多すぎて)、脈略もなく、順序立っていなければ、人は不満を抱きます。

例えば、お店の店員さんの対応などでいかにもマニュアル通りの対応をされた場合には、そのやりとりの不自然さに不満を抱きがちです。

相手を理解する

相手とよりよい関係を築こうとする場合、相手のことを理解する必要があります。

人は誰もが、同じ関心・感受性・理解力を持っているわけではないと考えられます。つまり、相手のことを理解するには、「聞く」ことが必要ということです。

こちらが話す側に回ったとしても、定期的に、相手の反応(話を理解してくれているか、言い過ぎていないかなど)をを確認しつつ、フィードバックする必要があります。

相手の言語的・非言語的なヒントや空気を十分に感じ取ることによって、いわばチューニングすることができ、相手に合わせ、話す内容やスタイルを整えることができると考えられます。

相手と信頼関係を築こうとするとき、議論や説得でどうにかできるものではなく、相手がどう感じているかについてよく耳を傾けることであると考えられます。

会話はダンス

会話はダンスであるとも考えられます。

よい会話とは、話す側も聞く側も集中し、いわば一緒にダンスを踊っているかのように同調しているものです。

聞く側がつまらなそうにしている・理解しようとしていない、あるいは、話す側が相手の反応をなんら考慮してくれないなどといったことがあると、スムーズにいかないものです。

つまり、会話においては、聞き手にも大きな影響力があり、聞き手がその会話にどれだけの力を注ぐかによって、その会話が実りあるものになるかどうかが決まると考えられます。

聞くことは、コントロールできる

人生とは思うに任せぬものですが、ただ、「聞く」ということは、自分でコントロールすることができます。

誰のどのような話の「聞く」のか、「聞かない」のかを、決めることができます。

聞く、つまり、心の中に招き入れるという行為までは、相手に強制することはできないのです。

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