チームワークがうまく機能するには社会的感受性の高さが必要と考えられています。
ケイト・マーフィ著・篠田真貴子監訳、松丸さとみ訳「LISTEN」(日経BP)を読んで考えたこと。
会話での平等な話者交代
チームワークにおいては、いかに連携が安定的でスムーズかが重要と考えられています。
この安定的な連携を考える場合、どのようなチームのコニュニケーションのあり方がよいかというと、「会話での平等な話者交代」と考えられています。
この「会話での平等な話者交代」、意外と難しいものです。
誰かが一方的に話して無理矢理に引っ張っていくことなく誰も潜在的な不平を持たない、という状態、これは高度な状態であるといえます。
他人の話に耳を傾けず、一方的に話の流れをコントロールしようとすると、結果としてうまくいかないものです。
お互いの言葉・行動に意識を向け、反応を重ねていくことにより、相互理解や相互感謝へと繋がり、チームの連携へとつながっていくことになります。
日頃の会話のなかで、メンバーはそれぞれ他のメンバーの声のトーン・顔の表情などの非言語表現も含めて互いの感情を直感的に読み取る能力、つまり、社会的感受性が高くなければならないためです。
互いの発言を最後までよく聴き合い、言葉にならない考え・感情などの非言語表現を十分に読み取り合うことで、自分の発言を遮られたり意見をないがしろにされたりされないという「心理的安全性」を作り上げ、情報やアイデアを出し合える雰囲気を醸成している状態ということになります。
他人を知ることで、仕事のリスクも知ることができる
他人の話をよく聴くことで、その他人が訴えかけたい仕事上のリスクを事前に知ることができるようになります。
そうすることで、仕事もスムーズに運び、結果として仕事のストレスも低減されるということになります。
他のことなど考えずに目の前の相手の話をしっかり聴くという、受動的ではなく能動的な聴き方をすることにより、周囲の状況はよりよくなるものと考えられます。
笑い合ってリラックスしていられる関係
「笑い合っていられる関係」とは、親密な相手としか成立しえません。
人はどのようなときに本当に笑うかというと、相手との関係のなかで、”どのようなことを楽しいと感じるか”・”どのようなことを言ってはいけないか”ということをよく知っておく必要があり、それは、相手の話をよく聴き、理解しておくことを長期間繰り返すことでのみ可能だからです。
長年の会話の積み重ねのなかで深い相互理解ができているからこそ、笑い合える関係ができると考えられます。
ユーモアを分かち合えることで、相手とつながっているという感覚を最も実感することができるものですし、”相手として面白い・楽しい”という感覚は、実直さや親密さができているからこそ、と考えることができます。