お客様はなぜ自社の商品を買うのかを知っておくことで、より自社商品の見せ方の戦略を考えることができます。
佐藤義典著「マーケティング戦略 実行チェック99」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考にして。
お客様はなぜ自社の商品を買うのか?
お客様が商品を買うとき、”その商品そのものが欲しくて買っているわけではない”という点を理解しておきたいところです。
佐藤義典著「マーケティング戦略 実行チェック99」(日本能率協会マネジメントセンター)で解説されているとおり、お客様は、商品そのものではなく、その商品を購入することによりその先にある”自分にとって良いこと”(ベネフィット)を手に入れようとしています。
つまり、商品は”目的”ではなく、問題解決・欲求充足のための”手段”であるといえます。
売る側にいるとどうしても”売る側の気持ち・都合”で考えがちですが、ときに買う側の気持ちになり、「お客様が自社の商品を買う理由」「自社商品のベネフィット」を客観的に考えてみたいところです。
「機能面でのベネフィット」は何か?
- 速いこと
- 便利であること
- 性能・機能がよいこと
速い→価値
インターネットが速い・新幹線で在来線よりも速く・自動車で歩くよりも速くなど
速さは価値を感じさせます。
便利→価値
使いやすい・買いやすい・持ちやすい・見やすいなど
便利であることは価値を感じさせます。
性能・機能がよい→価値
高性能・高機能・高品質・高精度・壊れにくい・味がよいなど。
性能・機能がよいことは価値を感じさせます。
「情緒面でのベネフィット」は何か?
商品の価値は、機能面だけではない点にも着目しておきたいところです。
お客様が商品を購入する際には、機能だけではなく、「情緒」も決め手になり得ます。
- デザインがよい
- 家族との思い出がある
- 名誉心を満たしてくれる
- 特別扱いしてくれる
- それを持っている自分が誇らしく思える
- 威厳を示すことができる
「機能面でのベネフィット」と「情緒面でのベネフィット」は連動しているか?
機能的に優れていても、例えば、デザインが非常に悪ければ、多くの人からは選ばれない可能性もあります。
また、「機能」は客観的評価がしやすいという特徴があり、それは、例えば、価格だけで比較されてしまうと価格競争に巻き込まれるというデメリットが生じることを意味してもいます。
一方で、「情緒」は比較がされにくく、ファンになってもらいやすいというメリットがありますが、機能面での裏付けがなければ、やはりそもそも買ってもらえないということになります。
つまり、「機能面でのベネフィット」と「情緒面でのベネフィット」は、車の両輪のようなもので、片方だけではうまくいかないことが多いものです。
「情緒面でのベネフィット」は「機能面でのベネフィット」という支え・裏付けがかけ合わされることによってより価値を発揮するということになります。