谷本理恵子著「プリンセスマーケティング」(インプレス社)を参考にして。
ヒーロー型、プリンセス型のストーリー
カスタマージャーニーには、「ヒーロー型」と「プリンセス型」があり、それぞれにおいて、以下のような違いがあるとされています。
- ストーリー
- 登場人物の設定
- モチベーション
- 意思決定の中身
- 何を信じるか
- 関係性の築き方
- 未来の見せ方
人は何をきっかけに行動を変えるのか
基本的には、人にはそれぞれ習慣(前提)があり、日々その習慣(前提)に基づいて行動しています。
では、人は何をきっかけに行動を変えるのか。
”何かに突き動かされ”という場合は、そのひとつであると考えられます。
つまり、気持ちを動かされる「ストーリー」に接することで、人はそれまでのなんとなく習慣(前提)を変えて新たな行動を起こそうとするという流れです。
つまり、「ストーリー」には、その人の「前提」を変える力があるといえます。
ストーリーの結末=得たい結果
商品やサービスを手に取って購入してもらおうとする際、お客様に”ストーリー”を感じてもらうことにより、購入していただく機会を得ることができます。
お客様は自身に合った”ストーリー”をイメージすることで「感情のスイッチ」が入り、自身が望むストーリーの結末へ行き着く手段として”商品・サービス”をイメージしてくれ、購入へと至るというものです。
ここでいう”ストーリー”、そして、”ストーリーの結末”というのは、人によって異なっています。
- 課題を認識→行動を起こして課題を解決→成し遂げる→他者から評価される(他者からの評価を得る)
- 本来(理想)の自分を認識→本来の自分になろうと努力→成し遂げる→本来の自分になれる(自分自身が満足する)
自身で”課題”を認識できているかどうか
”外部からの評価”を得たいと考えている場合、それを得るための「課題」というものは、客観的に把握できています。
一方で、”自分自身の満足”を得たいと考えている場合、それを得るための課題というものは必ずしも客観的に把握できているわけではなく、なんとなくぼんやりと感じている状態です。
前者は”困っている・悩んでいるということが明確になっています”が、後者は”困っていない・悩んでいない”ということになります。
つまり、前者には「あなたが抱えている課題はこれで、それを解決するために◯◯は役に立てる」ということを明確にしたほうが響くことになりますが、後者はそもそも課題を明確に認識しているわけではないため、前者に訴えかけるようなやり方は逆効果の印象を与えることになります。
”そういえば気になっていた”と気づかせる
後者のタイプにストーリーを感じてもらうには、まずは、”理想の自分・本来の自分”を明確に感じてもらうことができるかどうかが鍵になると考えられます。
そのうえで、必ずしも悩みや課題をズバリを指摘するのではなく、”そういえば気になっていた”と気づいてもらい、共感してもらえるくらいでちょうどよいということになります。
そうすることで、”試してみる価値があるかも”という心持ちになってもらえるに至ることになります。
つまり、「不本意な自分」から「本来の自分を取り戻す(より私らしく)」というストーリーになっていることが必要、ということになります。