小さな店が顧客の心をつかむための集客について考える①

お店が集客に苦戦しているとしたら、もしかすると、安易な安売りや話題性に頼った見せかけの成功に陥っている可能性もあります。本当のファン(=生涯顧客)を育てるには、小手先のテクニックではなく、顧客の心を動かす”本質”が不可欠であると考えられます。

中谷嘉孝著「リピート率90%超!あの小さなお店が儲かり続ける理由」(株式会社クロスメディア・パブリッシング)を参考として。

目次

なぜ儲からない? 小さな店が陥る「集客のワナ」

多くのお店が売上を上げようと試みるものの、いつの間にか”儲からない”状況に陥ってしまうことがあります。

その背景として、一見成功しているように見えて、実は不安定な”見せかけの成功”に頼ってしまっているケースが少なくありません。

  • 有名人・インフルエンサー頼み
    有名スポーツ選手やインフルエンサーが来店するようになり、お店は一時的に有名になあるものの、しばらくすると、彼らを目当てに来ていた”ミーハー客”も一斉に去る。
    これら”ミーハー客”は、”偽物の顧客”であり、安定した経営基盤にはなり得ない。
  • 技術力への過信
    業界内で有名になったとしてもそれが直接売上に結びつくとは限らず、残念ながらプロがこだわる技術的な違いは、多くの場合、お客様には伝わりにくいもの。
    ”実力=売れる”という図式は、必ずしも成り立たない。
  • 「キャンペーン」という名の麻薬
    最も陥りやすいワナが”安売り”です。
    キャンペーンで集まるのは、商品の”品質”ではなく、”◯円OFF”という価格に響いたお客様だけ。
    結局、安売りをやめれば、キャンペーンハンターたる客足は途絶え、かといって続ければ続けるほどお店の価値を軽く見られてしまいます。
    まさに”麻薬”で、分かっていても、一度始めるとやめられなくなるという危険な手法です。

本当に向き合うべきは、こうした”一時的な顧客”ではなく、あなたの商品やサービスの価値を理解してくれる「質の高いお客様」なのです。

お客が来ない「たった一つ」の理由と、その解決策

なぜお店にお客様が来ないのか。

その理由は突き詰めれば非常にシンプルで、「誰もお店のことを知らないから」に尽きると考えられます。

仮にたとえお店の存在を知っていたとしても、そのお店の商品や技術に込められた「価値」や「想い」や「こだわり」が伝わっていないのであれば、存在しないのと同じです。

お客様が商品を買わない理由、次の3つに集約されると考えられています。

お客様が買わない3つの理由
  1. その商品のよさがわからない
  2. そのお店から買わなければいけない理由がわからない
  3. なぜ今買わなければいけないかがわからない

この状況を打開する鍵としては、お客様から”アテにされる存在”になることであると考えられます。

そのために必要なのは、「売るとは、教えること」という意識です。

プロとしての知識を、お客様に分かりやすく、そのお店ならではの言葉と分かりやすさで懇切丁寧に教えること。
あわせて、あなたのお店の「想い」や「こだわり」を伝え続けること。

説明を怠れば怠るほど、せっかくの「価値」も伝わりません。

情報を”教える”ことによって、お客様は「安心」し、そしてお客様からの「信頼」が生まれるのです。

伝えなければ伝わらず、伝わらなければ始まりません。

「優越感」を感じてもらう

お客様との信頼関係を築き、リピーターになってもらうための基本原則は、「さりげなくマメであること」に尽きます。

「マメ」とは、必ずしも媚びることではなく、相手に、”大切にされている”と感じてもらうための、「さりげない気遣い」であると考えられます。

”3回通って初めて顧客である”という言葉があるように、最も信頼関係の薄い状態の「1回目」から、「2回目」、「3回目」と来店してくださったお客様に、さりげなく「優越感」を感じてもらえることが重要あると考えられます。

優越感”とは(3つの定義)
  • 私のことを覚えていてくれる
    顔や名前はもちろん、前回話したささいな会話の内容まで覚えていること。
  • 私のことをわかってくれている
    「コーヒーはブラックでしたよね」、「ピーマンが苦手でしたよね」といった、お客様個々人の好み・生活環境・職業・立場・歴史を把握していること。
  • 私のことを特別に扱ってくれる
    見え透いた(マニュアル的な)VIP扱いなどではなく、個々のお客様のことを十分に理解し、顔を立てるような上質な気遣いを気がけること。

小手先のテクニックなどはない

お店が顧客の心をつかむためには、”安売り”や”話題性”といった小手先のテクニックに頼るべきではないと考えられます。

まずは、商品やサービスの「価値」を、個々のお客様の表情や心情や趣向を十分に理解しながら、プロとして、それぞれにとって”分かりやすく”教えること。

かつ、”マメな気遣い”を徹底し、個々のお客様に「自分のことを理解してくれている・特別に思ってくれている」という感覚を感じてもらうこと。

これは、生涯顧客を育てるための確実な第一歩となります。

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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