SNSで伝わるのは「説明」より「感想」かもしれないと思った話

少し専門的なサービス内容をSNSで伝えようとしたとき、なかなか分かりやすい言葉が見つからずの試行錯誤のなかで気づいたこと。

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”正しい説明”だけでは、人の心に響かない

一般的にイメージしにくいサービスを提供していて、それをSNSで伝えるとした場合、まず「説明」から入ろうとしてしまっていました。

「このサービスは〇〇で、他社のものと比較して△△という利点があり、価格は…」といった具合です。

しかし、書き上がってみても、「SNSという場で、このような説明を誰が読んでくれるのだろう?」という疑問が膨らんでいきました。

どれだけ詳細に分かりやすい文章にと考え直してみても、その違和感は消えずでした。

この時の違和感が最初のつまずきでした。

陥ったかもしれないと思ったのが、この”説明”型の発信です。

  • 機能やスペックの羅列
    商品やサービスの仕様を詳細に厳密に伝えようとする
  • 客観的な情報提供
    正しいけれど、どこにでもある情報に終始する

情報が溢れる現代において、ただ正しいだけの「説明」は、他のたくさんの情報の中に埋もれてしまいます。
むしろ、人は、論理や理屈を超えた何かに、心を揺さぶられるのではないか。

「感想(一次体験)」が持つ、コミュニケーションの力

幾度か説明文をより詳しく書き直そうとしても上手くいかず、思考の整理のためにGemini・ChatGPT・Claudeに相談してみることにしました。

その壁打ちの中で気付かされたのが、「説明ではなく、体験を語ってはどうか」という視点です。

そこで、「このサービスの良さを『説明』するのは、一度やめてみよう」と決心しました。

代わりに自問したのは、次のようなことでした。

  • このサービスを通じて、お客様にどんな気持ちになってほしいんだろう?
  • 当事務所が、お客様に感じて欲しいと一番こだわって熱くなったポイントはどこだろう?
  • お客様からいただいた言葉で、一番心に残っているのはどんな『感想』だっただろう?

そこで見えてきたのは、情報やスペックの羅列ではなく、私たちの「心」が動いた瞬間の数々でした。

例えば、「これにより、お客様の〇〇という悩みが解決でき、喜べたこと」や、「これがいいですね!という言葉をもらったこと」などです。

これらは、客観的な「説明」ではなく、極めて個人的な「感想(一次体験)」です。

しかし、この一次体験から生まれた言葉にこそ、熱量や体温が宿るのだと気づきました。

説明型(モノ軸)感想型(ヒト軸)
視点機能・スペック感情・体験
言葉客観的・専門的主観的・感情的
伝わるもの情報・知識共感・物語・人柄
読者の反応「なるほど(理解)」「わかる!」「応援したい(共感)」

「〇〇ができて便利です」という説明よりも、「これを提供した時、〇〇という課題から解放されたというお言葉をいただき本当に嬉しかったんです」という感想の方が、不思議と人の心を惹きつけ、記憶に残ります。

「心」が動いた瞬間を、言葉にしてみる

今回の経験を通して私が学んだのは、SNSで本当に伝わるのは、完璧に整えられた「説明」(モノ軸)よりも、少し不器用でも正直な「感想」(ヒト軸)なのかもしれない、ということです。

これは、何か特別なサービスや商品に限った話ではなく、日常の出来事、読んだ本、観た映画、何でも同じことが言えるはずで。

一度「正しく説明すること」を放たれてみて、自分やお客様の「心」が動いた瞬間を丁寧に言葉にしてみるとよいと感じています。

「感想」発信

  1. 「嬉しい」「悔しい」「楽しい」「褒められた」と感じた瞬間をメモする。
    仕事でもプライベートでも構いません。感情が動いたエピソードは、最高のコンテンツの種になる。
  2. 「なぜ、そう感じたのか?」を少しだけ深掘りする。
    その感情の背景にあるストーリーや、自分だけの理由を探してみる。
  3. 情景を思い浮かべながら書いてみる。
    「〇〇と思った」だけでなく、「どんな場所で」「誰といて」「どんな光景が広がっていたか」を少し加えるだけで、言葉に熱がこもる。
  4. 完璧を目指さない。
    上手な文章でなくとも、素直な言葉が誰かの心に届く一番の近道と考える。

私の「感想」は、私にしか書けないオリジナルコンテンツ。

その一次体験から生まれた言葉が、周囲との温かい繋がりを生んでいくのだと気づかされました。

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