孫子の兵法(70~71/行軍編)

「孫氏の兵法」から学べること。

目次

70)行軍編/兵力を集中し結集する

原文

兵非益多也、惟無武進、足以併力、料敵、取人而已、夫惟無慮而易敵者、必擒於人

書き下し分

兵は多きを益とするに非ざるなり。
惟だ武進すること無く、力を併せて敵を料(はか)らば、以て人を取るに足らんのみ。
夫れ惟だ慮(りょ)無くして敵を易(あなど)る者は、必ず人に擒(とりこ)にせらる。

戦は、兵の数が多ければ必ず有利になるというわけではない。

ただ猛進するのではなくして、敵情をよく見極めたうえで自軍の兵力を集中し結集していけば、敵を撃破することも可能となる。

逆に、よく考えもせず敵を侮ってかかる者は、必ず敵の捕虜となってしまうなど大きな失敗を犯すものである。

71)行軍編/将と兵の信頼関係を作る

原文

卒未親附而罰之、則不服。不服、則難用也、卒已親附而罰不行、則不可用也、故令之以文、齊之以武、是謂必取、令素行以教其民、則民服、令不素行以教其民、則民不服、令素行者、與衆相得也

書き下し分

卒未だ親附(しんぷ)せずしてこれを罰すれば、則ち服せず。
服せざれば則ち用い難きなり。
卒已に親附せるに罰行なわれざれば、則ち用うべからざるなり。
故にこれを令するに文を以てし、これを斉(ととの)うるに武を以てす。
是を必ず取ると謂う。
令素(もと)より行われて以て其の民を教うれば、則ち民服す。
令素(もと)より行なわれずして以て其の民を教うれば、則ち民服せず。
令素(もと)より行う者は、衆と相得るなり。

兵がまだ将軍に慣れていないのにもかかわらず懲罰を厳しく課すと、兵はますます心服しなくなる。心服しないと、兵は動かしにくくなるのである。

逆に、兵が将軍に慣れて従っていても、必要な懲罰が行われずにいると、兵は動かしくにくくなるのである。

将は、徳(道義と愛情)をもって兵と親しみ、法をもって兵を統率しなければならない。
これができれば、必勝の軍ができあがるのである。

普段から法令を徹底させ、動員されたばかりの兵であってもきちんと教育すれば、兵は服従するものである。

普段から法令を徹底させないでおくと、動員されたばかりの兵を教育しても、兵は服従しない。
普段から法令が徹底していると、将と兵は信頼関係で結ばれる。

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