経営の構成要素から、流れを考えてみる

お客様と打合せするときには、”経営課題のなかで最もウェイトの大きい部分”を考えるきっかけを作るようにしています。

竹田陽一著「小さな会社★社長のルール ランチェスター経営成功への実践手法」(フォレスト出版) を参考として。

目次

”経営”の構成要素

経営の構成要素

ランチェスター経営で有名な竹田陽一先生の 竹田陽一著「小さな会社★社長のルール ランチェスター経営成功への実践手法」(フォレスト出版) を読んでいると、目からウロコの話がたくさんあります。

特に税務や会計の分野にいると見えなくなってしまいがちなものについても、視野を広げて考える機会を持つことができると感じています。

竹田陽一先生の上記の著書を参考にすると、経営の構成要素について、以下のように解説されています。

①商品対策
どのような商品やどのような有料のサービスを中心にするのか

②営業地域対策
どこの地域を中心に営業するのか(営業経費、集金費用、配送費用などを考慮)

③業界と客層対策
どのような業界、家庭、個人のお客をターゲットにするのか

④全社的な営業対策
どのような方法で商品や有料のサービスに関心が高い見込客を見つけ出すのか

⑤顧客の維持対策
どのような方法継続取引客をつくり、別の見込客を紹介してもらうのか

⑥組織対策
→採用人数、人員の配分、各人の役割分担、給料制度、昇進制度など

⑦資金と会計対策
資金集め、資金配分経理の仕組づくりなど

⑧仕事時間対策
→1日当たりの時間仕事、1年当たりの仕事時間はどれくらいか

竹田陽一著「小さな会社★社長のルール ランチェスター経営成功への実践手法」(フォレスト出版)(マーカーは筆者)

ウェイト

竹田陽一先生によれば、この経営の構成要素にウェイトを設けるとすると、

①~⑤(商品や営業)で実に80%を占めている、とのことでした。

このうち、①(商品)は27%②~⑤(営業)は53%であるとのこと。

残りの⑥~⑧(人事、資金繰り、会計、労務)で20%

掛け算

これは、特に創業当初のお客様などを見てきている感覚(自事務所含め)としては、とても分かるところがあります。

最初だからこそ顕著に分かるのだと思いますが、まずは「商品設定」や「営業」に最優先順位があり、奔走します。

安定してくると、人事・資金繰り・会計・労務といった部分にも、経営資源(リソース)をしっかり振り分けて、対応していかなければ、という感覚です。

ちなみに、これらは掛け算なので、どれかがゼロではすべてゼロであるということは、言うまでもありません。

経営の原点を考えてみる

会社が軌道に乗り、安定してくると、経営者は全体を見回す立ち位置になります。

商品や営業に関しては実績が積み上がってきて、仕組みができあがってくるので、その仕組みを回すことを社員に任せていき、経営者自身は、人事・資金繰り・会計・労務といった分野の仕組みづくりに注力していくことになります。

商品や営業において組み上げた”仕組み”がうまく回っているうちはよいのですが、経営環境はたえず変化していくため、回り方が鈍化したり、一時的に回らなくなるということも考えられます。

利益を改善するためにはどうすればよいか、といった場面においては、竹田陽一先生によると、以下のような順番で考えるとよいと解説されています。

STEP
すべてのお金の流れの起点は「粗利益」
STEP
「粗利益」が生まれる瞬間→”お客様がお金を自社の商品と交換してくれたとき”
STEP
商品を購入するかどうかの決定権は100%お客様が持っている、という事実
STEP
お客様が何を欲しいと思っているか、を考え直す
STEP
お客様起点の発想を持つ
STEP
「商品」や「営業」を見直す

会計や資金繰りは、本題の前置き

「経営をよくする」という観点に立った場合、会計や資金繰りに再優先順位を置いても、労力の割に効果が薄いということが分かります。

ただ、会計や資金繰りを無視することもできません。経営の構成要素は掛け算で、どれかの要素をゼロにすることはできないためです。

会計や資金繰りは、試算表などで数字で表現されるものをまとめたもので、これはこれで、しっかりと拾い上げて見るということには向き合うべきことなのだと思います。

そのうえで、”商品”や”営業”といった、試算表などに数字で表現されない部分を考えるきっかけにしてゆけるかどうか、が重要なのだと思います。

会計や資金繰りは、経営にとっては要素の一部(会計の専門職として、それを過大にも過小にも自己評価しない)であるということ自覚を持ちつつ、 ”商品”や”営業” といった分野を考えるきっかけとなるような打合せの流れづくり質問力を高めていく、といったことに特に力を入れています。



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