このたび2020年8月1日、長崎市小峰町に酒井寛志税理士事務所として開業いたしました。
なぜ税理士を目指すようになったか
中学校の頃に出会った本
小学校の頃から、歴史好きで、歴史の本ならそこそこ難しい本でも飛びついて読んでいて、小学校5年のときには吉川英治の「三国志」を読んでいました。
多分、当時は行間が読めていなかったり、読めない漢字もあったとは思うのですが、とにかく夢中で読んでいました。
ちょうどその頃、NHKにて、人形劇の三国志の再放送があり、それに夢中だったということもあります。
また、その頃は、家族で食事に出かけたら、帰りにちょうど寄りやすい手頃な書店があるのでそこに寄る、というのがたまたまいつも家族で食事に行ったときのコースになっていたというのもあります。
両親も、漫画以外の本を買う分には無制限で買ってくれましたので、色々な本を買っては夢中で読んでいました。
中学校に入ると、歴史本だけでなく、様々なジャンルの本を読むようになり、いい意味でも悪い意味でも自分に巨大な影響を与えた本があります。
夏目漱石の「こころ」です。
おそらくこの本に高校のときに出会っていたら、そこまで影響は受けなかったでしょう。
ただ、中学校2年生で、本の影響をもろに受けやすい感受性で読んでしまうと、非常に強い影響を受けてしまいました。
寝ても冷めても、「人間の心」とは何なのだろう、と深みにハマって考え込んでしまうようになりました。
学校の授業や様々な環境のなか、将来どんな仕事がしたいだろうか、とぼんやり考え始めたのもこの頃で、当時、心理カウンセラーになりたいと思うようになりました。
人の心が知りたいと。
組織に頼れなかった高校時代
高校になると、これまで様々な本を読んできてしまったせいか分かりませんが(というかただのわがままな人間なだけというか)、自我強めな人間になっていました。
地方の老舗の進学校の校風ややり方に疑問を感じてストレスになることが多く、嫌になって不登校になったりもしました。
ぎりぎりまで本気で高校を辞めるつもりでした。
しかし、大検を受けるのも高校に通うのもさして大差なく、そして、もしその高校がどうしても合わないのであれば転校すればいい、と思い直し、その高校に無理に合わせるのをやめにして、合わなくてもまったく気にせずに、再びその高校に通うようになりました。
ただ大学に行くための通過点だと割り切るようにしたのです。
そうすると気が楽になったのでした。
そうなってくると、意識も行動も、周りの同級生と完全に異なるものになってきます。
組織のルールに合わせた結果としての大学進学なのではなく、そもそも自分が決めた大学進学という目標に向けて何をすべきか、と考えるようになり、高校というメイン組織のことをまったく頼りにしなくなります。
高校の勉強よりも、進学塾の東進ハイスクールの授業の方がはるかに効率よく大学進学のための力が身につきますし、高校の授業はだいぶいい加減にやり過ごすことにして、東進ハイスクールの授業がメインの生活となります。
大学進学のために必要でない高校の授業は時間の無駄に思え、その時間は何か資格の取得に充てようと考えました。
本当にたまたまなのですが、東進ハイスクールを扱ってくれていたその塾の講師の一人が元公認会計士受験生であったこと、叔父が経理の仕事をしていたことから、たまたま簿記検定という資格を見つけ、簿記検定の勉強をすることにしたのです。
もちろん、授業中に一人だけ別のことをしているのですから、見つかると先生に怒られますが、一切自分の信念は曲げませんでした。
検定受検も、近所の商業高校に通う友人に懇願し、全商簿記検定の受検申込みをさせてもらい(今思えば日商簿記検定の方がよかったと思うのですが、たまたま受検日程がちょうどよかったという理由で全商簿記にしたのでした。)、会場に一緒に行ってもらい、オール商業高校生のなかで一人だけ違う制服の普通校生として別室で受検させてもらったのでした(無事、合格)。
高校の頃に少し考えが深まった
ふと将来の仕事について考えた時に、思いました。
心理カウンセラーの仕事に興味を持っていたけれど、心理カウンセラーとしては、人が心に問題を抱えて後、それをサポートする仕事。
もっと前段階から、人の心を大切にする職業はないだろうか。
そうすると、大体の人の人生の大半は「働くこと」。その働く環境を整えること、経営を整えることが、ひいては自身が興味を持っている心のサポートの仕事になるのではないか、と考えました。
そのことから、経営のコンサルティングを行う仕事に就きたい、と思うようになりました。
大学は、経済学部・経営学部・商学部を志望し、結果として、関西学院大学商学部に進学しました。
大学にて
大学では、当初2年間、吹奏楽やオーケストラをしていましたが、大学3年生になったばかりの頃、就職活動を意識するようになりました。
当時は就職氷河期。吹奏楽部時代の先輩などで優秀な方でも、不本意な就職を余儀なくされ、なかには就職してもミスマッチからすぐに退職してしまう、といったようなこともありました。
自分が就きたい仕事に就けないかもしれない。
話し下手でコミュニケーションを取ることが苦手で組織に頼るよりも自分を貫いてしまう僕が、普通の会社でうまく世渡りできるだろうか、営業の仕事をするとして出来るだろうか、などといったことを不安に思うようにもなりました。
そう考えると、自分は経営コンサルタントになれるのだろうか、と思いました。
さらに、経営をコンサルティングするには、何らかの基盤が必要だ、と思いました。切り口、というか。
そう思ったとき、自身が高校のときに取得した簿記検定のことが頭に浮かび、税理士という資格が思い浮かびました。
税金という基盤を切り口として、組織の経営の役に立てるような仕事としての税理士。
大学3年生から日商簿記検定を受検していき、周りが就職活動を始めるなか、自身は就職活動をせず、大学と大原簿記学校とのダブルスクールで、税理士になることを志したのでした。
途中、ほぼほぼ挫折しかけた
大学在学中に2科目取れたのは良かったのですが、大学卒業後の税理士試験受験は失敗続きで、卒業後2回の受験で取得科目はゼロでした。
深夜アルバイトしながらの受験でしたので、睡眠もうまく取れず、結果も出ず、思い返しても、この頃は精神的にかなり追い詰められた時期でした。卒業後3回目の受験では、受験まで勉強がたどりつけないくらい疲弊してしまっていました、
これ以上の受験優先はよくなく、まずは働かなければならないと思い、派遣社員での就業を経て、正社員として働き始めます。
しかし、資格も甘くありませんが、仕事も甘くありません。
意思が弱いのか、体力がないのか、ストレスを溜めやすい性格なのか、仕事しながらの受験勉強は、どうしても受験までたどりつけない状態で、それが数年続きました。
リーマンショックがあり、仕事が定時で終わるようになったことを見計らったところで、この機会を確実に逃すまいと、大学院への進学を決めたのでした。
ただ、受験をしない代わりに大学院で税理士科目の2科目免除という道を選んだからには、生半可な気持ちでの大学院研究にしたくないと思い、入学当初から、修士論文は懸賞受賞を狙って、没頭して取り組みました。
(結果、租税資料館の奨励賞を受賞することができました。)
最後の1科目が取れたのは、佐賀に戻って地元の税理士事務所に勤務しながら、実家で勉強するようになってからでした。
実家で、家事負担を両親にお願いすることができたことで、受験に専念することができたのです。
税理士になれたのは、自力だとは思えません。
意思が弱く、体力がなく、ストレスを溜めやすい性格なのは致し方ない。
きっちり残業して働かなければ仕事がこなせず、生活していくことができない自分の状況も致し方ない。
それでも、世の中の動きを見極めて大学院進学を決め、また、両親のサポートのおかげでようやく最後の1科目を取ることができたのでした。特に両親には感謝の気持ちしかありません。
途中何度も諦めかけて本当にボテボテですが、自身が考える経営コンサルティングへの道に、諦めずにたどりつくことができたのでした。
強み
従来のいわゆる税理士像にはこだわりがありません。
税額の計算だけではなく、経営をサポートしたい。それが僕の目指すところです。
また、心を大事にする税理士でありたいと考え、これまで意識して経験を積んできました。
IT・クラウドの活用
従来、手計算で作成していた、決算書、税務申告書、試算表。
パソコンの普及に伴って、パソコンで作成することができるようになりました。
さらに、ITの進展により、クラウドサービスが登場してきました。
クラウド会計ソフト、チャットツール、クラウドストレージなど。
過去部分の計算は、可能な限りこれらの技術を駆使して、効率的に作成することが望ましいと考えています。
クラウド会計、チャットツール、クラウドストレージの導入のご提案を複数行ってきました。
また、日々、様々なITを・クラウドに関する知見を身につけるようにしています。
経理のシンプル化
IT・クラウドで対応することができない経理の部分も、今は様々な事務用品やツールが出ています。
それらの駆使し、資料整理もシンプルに行いたいと思っており、これまで様々なツールを試し、個々のお客様の状況に応じたツールによって経理をシンプル化するための提案をしてきました。
経営計画の作成
ITの進展に伴って、将来のことを予測できるシミュレーションのためのソフトも出てきています。
こういったソフトを積極的に取り入れ、早い段階での決算の予測、税額の予測、資金残高の予測を行ってきました。
期首の段階から、前提を話し合いつつ、その年度の決算や税額、資金残高の予測をすることができるのです。
先のことをできるだけ早くつかめれば、概算も分かり、そこに向けて資金準備をはじめとした対策をすることができますし、対応を取ることができますよね。
財務支援、資金繰りサポート
上記を踏まえて、財務支援や資金繰りサポートなども多く経験してきています。
「聞く力」を意識
大学時代、話すことが苦手でコンプレックスがあったなか、「話し上手になれないなら、聞き上手になろう」と決意しました。
そこから聞く力を身につけるような書籍を多く読んできました。
何を大事にしているか
僕が大事にしていることは、やはり「お話を伺うこと」です。
まずはお話を十分に聞き、要望や状況に合った経理面での支援、クラウド化の支援、経営計画の支援を提案することで、今や将来の経営が見え、前もって手が打てることで、経営に安心感を持っていただく。
これが私の目指すところであり、貢献できることです。
経営のこと、生き方のこと、仕事への思い、将来どうなりたいか、あるいは愚痴などでも構いません。
まずはお話を聞かせてください。