Claude Codeに自分のことを伝えるファイルは1枚にまとめるのが手軽ですが、「経歴」「強み」「これから目指す方向」の3枚に分けておくと、依頼に合わせて必要な面だけを読ませられるうえ、Claude Codeとの壁打ちを通して自分の強みを自分の言葉で語れるようになっていきます。
ひつじ・染谷昌利「あらゆる仕事が爆速化する Claude Code徹底活用術」(日本実業出版社)を読んで。
プロフィールを1枚ではなく3枚に分ける理由
自己紹介を書くたびに、ゼロから考えている
名刺交換のあとのお礼メール、金融機関との面談、ホームページの代表者紹介など、自分の経歴や強みを説明する場面は意外と多くあります。
そのたびに「自分の強みって何だったか」と頭をひねり、ゼロから文章を組み立てる場合も多いものです。
書籍では、こうした整理に毎回1時間以上かかっていたものが、Claude Codeとの20〜30分の壁打ちで3つのファイルとして手元に残り、以後の依頼すべての出発点になると紹介されています。
3枚はそれぞれ「これまで・いま・これから」を受け持つ
書籍で作るのは、次の3つのファイルと、それらの案内役になる「CLAUDE.md」です。
| 経歴.md | これまで:歩んできた仕事、関わったプロジェクト、実績 |
|---|---|
| 強み.md | いま:仕事のうえでの強み3〜5個と、それを裏づける具体的なエピソード |
| キャリア軸.md | これから:大事にしている価値観、関心のあるテーマ、目指す方向 |
| CLAUDE.md | 3つのファイルの役割と一覧、更新の方針を書いた案内メモ |
書籍は、会社員を想定して「キャリア軸」と呼んでいますが、経営者や事業主であれば「事業をこれからどこへ向けたいか」と読み替えると使いやすいと思われます。
分けておくと、依頼に合わせて読ませ分けられる
1枚にまとめたプロフィールでは、どの依頼にも同じ情報がまるごと渡ります。
3枚に分けておけば、実績を示したい資料づくりには経歴を、提案文には強みを、今後の方針の相談にはキャリア軸を、というように、依頼に合わせて必要な面を読ませることができます。
また、経歴は仕事をするたびに積み上がり、強みは数年単位でゆっくり変わり、目指す方向は事業の節目で見直すというように、3つは変わる速さも違います。
ファイルが分かれていれば、変わったところだけを書き換えれば済むので、手入れもしやすくなると考えられます。

Claude Codeとの壁打ちで3枚をそろえる手順
手順1:叩き台を箇条書きで5〜10行書く
最初から整った文章を用意する必要はなく、壁打ちの中で深掘りしてもらう前提なので、キーワードを並べた5〜10行の箇条書きで十分です。
例えば、飲食店を経営している方であれば、次のような粒度くらいがよさそうです。
- これまでの歩み
会社員として飲食チェーンの店長を8年→独立してカフェを開業、今年で5年目 - 関わった仕事
新店の立ち上げ/アルバイトの教育の仕組みづくり/地元の農家と組んだ限定メニュー - 関心のあるテーマ
スタッフが長く働ける店づくり/地域とのつながり/AIの活用 - これから目指す方向
2店舗目の出店/店長を任せられる人を育てる
気持ちや思いは後回しにしてよく、書きながら思いついたことは、その場で足していけば大丈夫です。
手順2:叩き台を渡し、作ってほしいファイルと保存先を伝える
Claude Codeを開いたら、叩き台と一緒に次の3点を伝えます。
- 進め方
「自分のプロフィールを整えたいので、壁打ちの形で進めてください」と、質問しながら進めてほしいことを伝える - 作ってほしいファイル
経歴.md・強み.md・キャリア軸.md・CLAUDE.mdの4つと、それぞれに書いてほしい中身 - 保存先
「仕事用フォルダの中の『自分』フォルダ」のように、置き場所を決めておく
CLAUDE.mdは、Claude Codeが作業を始めるときに自動で読む設定ファイルです。
ここに「このフォルダには経歴・強み・キャリア軸の3つのファイルがある」「自己紹介や提案文を書くときは必ず読むこと」と書いておけば、3枚を置いた場所で作業するたびに、自分のことを踏まえたうえで動いてくれるようになります。
※「.md」は見出しや箇条書きを書きやすくしたテキストファイルの一種で、メモ帳でも開けます。
手順3:質問に答え、返ってきた言葉を自分に寄せる
送ると、Claude Codeから「2つ目の強みを、具体的な出来事で聞かせてください」「その方向を目指すようになったきっかけは何ですか」といった質問が3〜5往復ほど届き、答え終わると、3つのファイルとCLAUDE.mdがフォルダにそろいます。
中身をざっと読み、気になるところがあれば「強みの2つ目をもう少しかみ砕いて」「関心のあるテーマに人材育成も足して」と伝えれば、その場で書き直してくれます。
AIが整えた文章をそのまま受け取るのではなく、読んで「自分ならこう言う」という言葉に寄せていくことで、借り物ではない自分のプロフィールになっていくのです。

3枚をそろえると何が変わるか
効用は、Claude Codeへの頼みやすさにとどまらず、経営の場面にまで広がっていきます。
前置きなしで、いきなり本題から頼める
Claude Codeは、新しい会話を始めるたびに、こちらのことを知らない状態から始まります。
3枚がそろっていれば、「私の経歴は〜」と毎回説明し直す手間がなくなり、メールの代筆でも資料の下書きでも、依頼の最初の一文から本題に入れます。
1回あたりは数分の手間でも、毎日の依頼に積み重なると差は小さくないと思われます。
自分の実績と強みがにじむ仕上がりになる
前提を知らないAIが書く文章は、誰が頼んでも同じような無難な内容になりがちです。
経歴と強みを読んだうえで書かれた提案文やあいさつ文には、その人が積み重ねてきた実績や得意なことが自然に織り込まれます。
AIに書かせても自分らしさが消えないのは、この3枚があるからなのです。
ぼやけていた強みが、語れる言葉になる
自分の強みは、自分ではかえって見えにくいものです。
当たり前にやっていることほど、強みだと気づかないまま過ごしていることもあります。
Claude Codeから「具体的にはどんな場面で」と聞かれて答えるうちに、強みがエピソードつきの言葉として取り出されていきます。
AIのための準備のはずが、自分を棚卸しする時間にもなる、というのが壁打ちのいちばんの収穫だと思われます。
経営のいろいろな場面で使い回せる
そろえた3枚は、Claude Codeに読ませるためだけのものではありません。
金融機関との面談で求められる代表者の経歴、補助金の申請書にある「自社の強み」の欄、ホームページのプロフィール、セミナーでの講師紹介、採用ページの代表メッセージなど、同じ材料が繰り返し求められます。
そのたびにゼロから書くのではなく、3枚をもとに「この用途に合わせて整えて」と頼めば、用途に合った文章をすぐに用意できます。
ゼロから考えていた時間を、選んで使う時間に変えられるということです。
どこで語っても、伝わる自分がそろう
ホームページ、名刺の裏面、SNSのプロフィール、面談での自己紹介と、その場ごとに書いていると、言っていることが少しずつずれていくことがあります。
強みとして挙げる点が媒体ごとに違えば、読む側には「結局この人は何が得意なのか」が伝わりにくくなります。
もとになる3枚が決まっていれば、どの場面の文章も同じ材料から作られるので、表現は変わっても芯はぶれません。
どこで目にしても同じ人物像が浮かぶことは、初めて会うお客様や取引先からの信頼にもつながっていくと考えられます。
迷ったときの判断のよりどころになる
新しい仕事の依頼や取引の話が来たとき、受けるかどうか迷うことがあります。
キャリア軸.mdに「これから目指す方向」が言葉になっていれば、その話が自分の向かいたい方向に沿っているかどうかを照らし合わせることができます。
Claude Codeにも「キャリア軸に照らして、この話をどう考えるか整理して」と相談できるので、一人で抱え込まずに考えを整理しやすくなると考えられます。
書き足すたびに、Claude Codeも最新の自分に追いつく
3枚はファイルとして手元に残るので、一度作って終わりではなく、育てながら使い続けられます。
新しい実績ができたら経歴に1行足し、事業の方向が変わったらキャリア軸を書き換えれば、Claude Codeもその日から新しい自分を前提に動きます。
決算を終えた時期や新しい期が始まるときなど、年に一度でも見直す習慣をつけておくと、プロフィールと実態がずれにくくなると思われます。

