業務効率化から「自律型エージェント」へ。AIが実現する自動化レベル0〜5について。

自動車業界で定義されている自動運転レベルになぞらえて、業務AI化の現在地から「自律型エージェント」が活躍する未来までのロードマップを考えます。

松本勇気著「生成AI「戦力化」の教科書」(株式会社日経BP)を参考にして。

目次

業務の自動運転における「6段階」のレベル定義

自動車業界には「レベル0〜5」という明確な自動運転の基準がありますが、これはビジネスのAI化に参考になります。

最も重要な視点は「誰が業務のハンドル(主導権)を握っているか」であると考えられます。

現在、多くの企業の取り組みやSaaSツールは、レベル0〜2の段階に留まっているため、ここから一歩進み、AIが主導権を持つレベル3へ踏み出せるかが、今後の競争力のカギになると考えられています。

Lv.0:非自動化業務

  • 主導権: すべて人間
  • 詳細: AIやデジタルツールの支援はほぼ無く、すべて人間が判断・行動する段階。

Lv.1:基本的なデジタル支援

  • 主導権: 人間が判断
  • 詳細: AI-OCRなどのツールが特定のタスクを実行しますが、自律的な判断は行わない。あくまでツールとして利用。

Lv.2:知的アシスタント

  • 主導権: 人間が主体
  • 詳細: LLMによる文書作成や分析など高度な支援を受けますが、最終決定権は人間が持つ。現在のAI活用の主流。

Lv.3:監督付き自律業務

  • 主導権: AIが主体
  • 詳細: AIが業務を主導し、人間は監督者として承認や確認を行う(新人社員と上司の関係に近い)。

Lv.4:条件付き自律業務

  • 主導権: ほぼAI
  • 詳細: 特定の領域内ではAIが完遂し、例外時のみ人間が介入する。

Lv.5:完全自律業務

  • 主導権: 完全AI
  • 詳細: あらゆる状況でAIが自律的に判断・実行し、未知の状況も自ら学習して対応する。

「アシスタント」から「エージェント」へ

現時点において、最も注目すべきフロンティアは、「レベル3:監督付き自律業務」であるとされます。

このレベルでは、AIは単なる道具(アシスタント)ではなく、自律的に思考し行動する「エージェント」として振る舞います。

この段階では、人間は実作業から解放され、AIの成果物を「監督・承認」する役割へとシフトしていきます。

  • AIが「ホウ・レン・ソウ」をする
    未来レベル3のAIエージェントは、優秀な新人社員のように働きます。業務を自ら進めつつ、判断に迷う点や重要な承認ポイントでは、人間に「これで進めてよいですか?」と確認(ホウ・レン・ソウ)を求めます。
  • Agentic Workflow(エージェント型ワークフロー)
    単一のタスクだけでなく、情報検索、下書き作成、回答送信といった一連のプロセス全体をAIが担当します。さらに、専門性の異なる複数のエージェントが連携して複雑な業務をこなす「マルチエージェントシステム」も実現されつつあります。

レベル5への道筋:今の「レベル2」が未来の資産になる

いきなりレベル5の完全自動化を目指すのは現実的ではありません。

会社の固有の業務知識や、明文化されていない「暗黙知」をAIはまだ知らないためです。

そのようななかで、現在普及しているレベル2(知的アシスタント)の取組みは、将来の高度なAIを実現する土台となります。

業務の完全自動運転は一足飛びには実現しないため、まずは足元の業務をワークフロー化し、レベル2の自動化領域を広げることが最短ルートであると考えられます。

今、私たちが日々行っているAIとの対話や業務プロセスの整理は、将来登場する高度なAIにとっての「最高の教材」であり、企業の貴重な資産となります。

  • AIオンボーディングの重要性
    AIに自社のルールや判断基準を教え込む「AIオンボーディング」を継続することで、AIは徐々に賢くなり、任せられる領域が増えていきます。
  • 「対話」が学習データになる
    レベル3の段階で、AIが人間に相談し、人間が修正や承認を行った記録は、「この会社ではこう判断する」という貴重な教師データになります。この蓄積が、将来のレベル4(条件付き自律業務)の実現につながります。

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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