自分のなかに深く”基礎づけられる”ということは、「体験」によって得られる大きな成果だと考えます。
そして、「体験」は、五感によって得るということが最も近道であるといえそうです。
河合隼雄「カウンセリング講座」(創元社)を読んで学んだこと。
”基礎づけられる”という感覚
自分のなかにしっかりと腰を下ろした、という感覚があります。
腹落ちした、心から納得した、自分のものになった、自分にとって自然なものとなった、などと言い換えることもできると思います。
河合隼雄さんの書籍では、”基礎づけられる”という言葉で紹介されています。
頭のみでいくら考えていても、自分のなかに”基礎づけられ”、かつ実行に移すことができなければ、自分のなかに基礎づけられたとはいえませんし、自信も持てないでしょう。
自信が持てなければ、そこはかとなく漠然とした不安を抱えたままになってしまいます。
「体験」によって、基礎づけられる
この”基礎づけられた”という感覚は、「体験」によるところが大きいような気がしています。
完璧になるまでやらずにいようなどと思わず、完璧な状態でなくても、まずは行動してみる。
愚直に実践することが大事といえそうです。
行動しながら、予期せず失敗することもあるかもしれませんがそれも含めて「体験」することにより、自分に”基礎づけられる”といえそうです。
「体験」によって基礎づけられたものは、自分のなかで力に満ち、魅力あるものとなるので、またそうして心のなかに流れたものから様々な発想を得ることができそうです。
五感で感じ、それを掬い取り、言語化すること
「体験」とは、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚といった五感を伴うものだと思います。
例えば、ふとした”匂い”によって過去の「体験」が呼び起こされ、心のなかに大きな感動を呼び起こすといったこと、大なり小なりみんな経験があるものです。
このように、「体験」は、五感を伴うものであり、可能な限り多くの感覚を同時進行して物事にあたるのがよさそうです。
これは、例えば、経営判断にも同じことがいえそうです。
新型コロナにより今は、”人と直接会って話すこと”にも制限が加わり、打合せもリモートなどが主体となったことでなおのこと感じることですが、五感で「体験」し、そのことで自分の考えが”基礎づけられ”、大きな判断をする元になるような機会を持つことが難しくなっています。
やはり、人と直接会って話し、五感で感じる「体験」をすることで自分なかに”基礎づけられ”、自分が持つビジョンを実現するような経営判断をすることができるように思います。
こうした流れは、リモートではなかなか持ちづらい。
五感で「体験」することで、自分のなかに基礎づけられ、それによって自分の心のなかに生まれた動きをしっかり掬い取り、それを言語化することが、自分のビジョン実現に向けたさらなる愚直な実践へつながるものだと感じています。