競合を理解していなければ、誰に対して差別化してよいか分からず、強みを磨くこともできないものです。
佐藤義典著「実践BtoBマーケティング」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考にして。
競合が分かっていなければ「差別化」「強み」は分からない
「差別化」や「強み」は重要なものです。
自社は他と何が違うのか?優れているのか?
しかしながら、そもそも”誰と比較しての違いなのか?誰に対して優れているのか?”といった理解を誤っていると、打ち出す施策は誤ったものとなってしまいます。
つまり、「差別化」「強み」を考えるには、その前に、「誰が”競合”なのか?」を正しく把握しておく必要があるということです。
お客様の目的を達成する「手段」としての自社は何なのか
さらに競合を理解する前に、「自社は、お客様の目的を達成する”手段”である」ことを理解したうえで、お客様はどのような目的を達成しようとしていて、自社はお客様にとってどのような手段なのかを理解しておく必要があります。
自社がお客様に選ばれる理由は、”その商品がお客様が利益を得るために役に立つから”ということになります。
よって、自社がお客様に売っているのは、「自社商品を使った稼ぎ方」であると理解し、それこそがベネフィットであるといえます。
そのような視点に立ち、お客様が目的達成するための”手段”として、自社は何を売っているのか・お客様が達成したい目的は何なのか、ということを深く理解しておく必要があります。
競合は誰か
競合とは誰なのかと考えるとき、それが同業他社なのかというと、その理解は誤りということになります。
競合とは、「お客様がその目的を達成するための手段の選択肢の集合体」であるといえます。
そう考えると、それは「同業他社」に限らず、「他業種」「お客様自身の内製化」といったこともあり得るということになります。
それを具体的に理解するには、徹底してお客様目線に立って考えてみたり、あるいは、お客様に直接聞くといったことが必要です。
お客様が相見積りをしている一群はどこか、と考えてみることでも把握が可能です。
お客様にとっての”シェア”を把握し、行動する
お客様にとって総予算は限られているものです。
その総予算のうち、競合に対して自社の立ち位置(シェア)はどの程度なのか、を把握しておきたいところです。
その程度によって、”お客様は自社を絶対的によく利用してくれている”・”お客様にとって自社の優先順位はかなり下位の方である”などといったポジショニングの違いがあります。
どこに開拓すべきかということ、”お客様にとって自社の優先順位はかなり下位の方”となっているお客様ということになります。
その区別をしておかないと、ついつい安易に取り組めるであろう、自社とすでに良好な関係のお客様にばかり営業の意識が向いてしまうということになってしまいます。