「強み」とは、商品の性能の差のことではなく、お客様にとっての価値の差であり、お客様から”どう褒められたいのか”が価値の差であると考えられます。
佐藤義典著「実践BtoBマーケティング」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考にして。
”強み”とは何か
”強み”とは何か。安易に考えていってしまうと、”商品の性能の差”になっていたりします。
”強み”とは、「他社と比べてお客様にとって価値があること」であり、他社と比べての「費用対効果」の大きさであったりします。
つまり、お客様にとってのベネフィット・嬉しさの差であるということになります。
つまり、以下のことを考える必要があります。
- 誰と比べてのもの?(競合の正確な把握)
- 誰にとってのもの?(商品の性能ではなく、お客様にとってのベネフィット・嬉しさ)
理想的な褒め言葉を考える
上記からさらに踏み込むとすると、”強み”のイメージとは、「お客様からの理想的な褒め言葉」であるとされます。
「他よりも、御社がよい。なぜなら~がよいから」
上記をもとにさらに掘り下げると、以下のような点を具体的に把握する必要があります。
- どのような競合に対し、何が、どれくらい違うのか?
- 主語はお客様であり、その「嬉しさ」「喜びの声」であること?
つまり、「お客様に何と言って褒めて欲しいのか?」を考えることが重要であると考えられます。
”強み”は、お客様に直接聞かなければ分からない
”強み”とは自分では当たり前となっており、自身でそれが強みであるとは考えていないものです。
つまり、自分では気づけないものであったりします。
そのため、「お客様が選ぶ理由は、お客様に直接聞かなければ分からない」ということになります。
お客様に対し、どのように聞けばよいか。
「他ではなく、当社を選ばれた理由は何でしょうか?」
と問いかけると自然だと考えられます。
”他ではなく”がポイントであると考えられます。なぜなら”強み”とは相対的なものであるためです。
独自資源
独自資源とは、”強み”を長期にわたって発揮するための土台となるものです。
- 設備
- 立地
- 資金力
- 特許
- 技術・スキル
- 知識
- 経験・ノウハウ
- 個人資格
- 企業理念
- 効率的プロセス
- 人材
- 教育システム・採用システム
- 組織体制
- 人材評価体系
- 従業員のモチベーション
- お客様からの強い信頼
- 仕入先との特別な関係性(独占、優先的、提携など)
- 代理店との良好な関係性(優先販売)
「”自社らしさ”とは何か?」と考えてみたいところです。
これは、自社のことを知るのもそうですが、競合の”独自資源”もリサーチして知っておきたいところです。
なぜなら、自社が本当に独自かどうかは、競合のことも知らなければ分からないですし、打ち手も考えやすくなるためです。
また、「独自資源」は「強み」を支えるものであると考え、独自資源そのものはお客様にとっての価値とはいえないこと、支える関係性がない場合には他社に簡単に真似される可能性があること、ソフト資源に関しては構築が長期にわたる可能性もあること、を理解しておきたいところです。
3つの差別化軸
差別化には、大きく分けて、以下の3つの方向性があると考えられます。
手軽軸 | 「速い」「安い」「うまい」のバランスの追求 |
高品質軸 | 品質の高さの追求 |
密着軸 | オーダーメイド力(細かな要望にも応える)の追求 |