自社が差別化戦略3軸をどのように捉えるかによって、技術・設備などのハード資源をどのように投資判断していくかは変わっていきます。
佐藤義典著「経営戦略立案シナリオ」(かんき出版)を参考として。
目次
差別化戦略の3つの軸
佐藤義典著「経営戦略立案シナリオ」(かんき出版)では、差別化戦略を考えるには、”顧客の3つの欲求・価値”に基づき、同じく3つの軸に大別されるとされています。
- 手軽軸(価値:早さ・安さ・近さ・便利さなど)
- 商品軸(価値:高品質・最新)
- 密着軸(価値:自分仕様・カスタマイズ)
差別化戦略3軸と投資判断(ハード資源)
会社には、技術・設備などのハード資源と、人材・文化などのソフト資源とがあります。
自社が差別化戦略3軸をどのように捉えているかによって、これらの資源への投資判断も変わっていくことになります。
ハード資源については、基本的に、以下のような考え方になるとされています。
手軽軸 | 商品軸 | 密着軸 |
---|---|---|
・大型 ・効率化 ・大量出店 ・大型設備 ・大量の店舗 ・汎用技術 ・大量生産する技術 | ・最新設備 ・最高品質を作れる技術 ・先端技術 ・品質改善 ・知的財産 ・技術開発する環境 | ・顧客にあわせて作る体制 ・顧客カルテ、データベース ・取引履歴 ・顧客の好みに合わせるための幅広い技術や知識 |
ハード資源への考え方のポイント
手軽軸
- 低価格での生産力
- 低価格での調達力
- 設備の大規模化
- 改善によるコスト圧縮
- 効率化のための設備投資
- 調達:汎用品(特殊なものを排除)によりコスト圧縮
- ある程度設備を持って効率化する
商品軸
- 技術力
- 独自商品の開発力
- 独自商品を生み出すための調達力
- 最新設備への投資
- 知的財産
- 調達:独占購入・自社開発
密着軸
- 顧客対応力
- 色々なものを色々なところから持ってきて組み合わせる
- 他社の色々な技術と知識とアクセスが必要(ネットワークが重要)
- 調達:顧客満足のためであれば競合からも買付け、顧客仕様へ修正
- 顧客の情報・取引履歴をしっかり管理
- 顧客データベースへの投資
- 過大な設備を持つよりは、好みに合わせて色々なところから買うことがよい場合もある