価値が伝わらなければ顧客の選択肢に上がることができず、伝わるように何をいつどのように伝えるかについても考える必要があります。
佐藤義典著「経営戦略立案シナリオ」(かんき出版)を参考として。
目次
価値を伝える
どんなによい商品でも、購入前にお客様がその価値を感じ取る機会がなければ、購入の選択肢として上がることができません。
自社商品の価値をどのように伝えるかについても、よく考える必要があります。
「顧客にどのように感じて欲しいか」を十分に考えて、価値を提案する(=価値を伝える)必要があります。
佐藤義典著「経営戦略立案シナリオ」(かんき出版)で挙げられている価値提案のメッセージ例として、以下が挙げられています。
- ドトール「180円でいれたてのコーヒーを」
→「手軽軸(低価格)」を伝えつつ、「商品軸(いれたて)」も伝えている - QBハウス「シャンプーなどのサービスなしで10分1000円の便利なヘアカット」
→「手軽軸(低価格)」を伝えている
経営戦略とは何か
価値を伝えるメッセージは、自社の軸(経営戦略)をもとに考え出されるものであり、自社の「軸」を考える必要があります。
”経営戦略”というと抽象的ですが、佐藤義典著「経営戦略立案シナリオ」(かんき出版)においては、より具体的な方向性として、以下のように解説されています。
- 「戦場型」:競合を正確に把握し、競合よりも高い価値提供を行うようにする
- 「独自資源型」:価値の源泉である”会社の資源(ハード、ソフト)”を深める
- 「差別化型」:差別化することで、より高い価値を提供する
- 「顧客型」:顧客にとっての価値を追求する
戦略は役に立たないか
”経営戦略”というと抽象的で、机上の空論的に感じ、敬遠しがちです。
しかしながら、経営戦略なく場当たり的に経営すると、以下のような弊害が考えられます。
- 目的のない値引きに走ってしまい、疲弊する
- 接客力を強化しないのに、無理に接客を売りにしてしてしまう
- 独自資源に基づかない無理のある差別化に走り、競合に真似され、すぐに圧迫されてしまう
- 広告では低価格を打ち出すのに、実際には、高級感がある
知らず知らずのうちに疲弊したり、顧客も混乱したりといった事態が起こることになります。
やはり戦略(軸)は必要といえます。
戦略に”机上の空論感”が漂ってしまう原因は、戦略と戦術が連携していないこと、実行できない戦略になってしまっていること、が挙げられます。