創業から、取引銀行をどのようなステップを経て増やしていけばよいか。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
目次
どの金融機関と取引するかの目安
自社の年商規模を目安とし、どの金融機関と取引するとよいかを考えるとよいと思われます。
ただし、どの年商規模であっても、赤字や債務超過でもすくい上げてくれる可能性のある公庫は支えになるものですし、絡めておきたいところです。
自社の年商規模 | 金融機関① | 金融機関② |
---|---|---|
~1億円 | 公庫 | 信用金庫・信用組合 |
1億円~数十億円 | 公庫 | 地方銀行 |
数十億円~ | 公庫 | 都市銀行 |
年商規模と釣り合わない金融機関と取引するとどのようなデメリットがあるか。
- スムーズに融資を受けられない(後回しにされる)
- 融資条件が悪い場合がある
取引する金融機関の数の目安
取引する金融機関はどれくらいの数がよいのか。
多すぎると煩雑になりますし、少なすぎると安定性に欠けます。
こちらも、自社の年商規模を目安として考えてみるとよいと思われます。
自社の年商規模 | 金融機関① | 金融機関② |
---|---|---|
~3億円 | 公庫 | 民間金融機関2~3行 |
3億円~5億円 | 公庫 | 民間金融機関3~4行 |
5億円~ | 公庫 | 民間金融機関4行以上 |
取引銀行を複数にするメリット
- 2つ以上の金融機関との取引を持っていると、融資交渉のときに余裕を持つことができる
- 銀行の変化(支店長、担当者による方針変更)に備える
取引銀行が多すぎる場合のデメリット
- 決算報告・定期報告が大変になる
- リスケジュールが必要なとき、調整が大変になる
- 融資金額が分散することで、銀行のサポートが手薄になる
(目安:信金3千万円、地銀1億円、都銀5億円