銀行との関係性を考える際、”メインバンク”という考え方を理解し、意識しておきたいところです。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
メインバンクとは
会社と銀行との関係性を考える際、「メインバンク」という考え方を理解しておきたいところです。
会社と特定の銀行との間で、”会社にとってのメインバンクである”という関係性を築けるかどうかによって、資金調達も変わってくるためです。
銀行が考える「メインバンク」の考え方を知っておくことで、会社側も接し方を意識することができます。
- 融資残高が多いかどうか
- 融資取引が長いかどうか
- プロパー融資(保証協会を通さない融資)を受けているか
- 担保の提供をしているか
- 預金残高が多いかどうか
- 定期的に合っているか
- 支店から近いかどうか
- 取引(入出金)が多いかどうか
- 会社の規模と銀行のターゲット層とが合っているかどうか
メインバンクを作るメリット
メインバンクという関係性を作っておくと、どのようなメリットがあるか。
不測の事態になっても融資を検討してくれる
コロナ禍、東日本大震災など、事業においてどうにもならない災害や事故などはつきものです。
そのような際、事業を存続させるためには資金的余裕が必要になります。
メインバンクを作っておくことで、融資や相談などの実績や関係性ができ、不測の事態にも事情を汲んでくれやすくなると考えられます。
赤字のときでも融資を検討してくれる
メインバンクを作っておくことで、”赤字だから融資をしない”といった形式的な対応ではなく、事業の状況や内情を汲んでくれると考えられます。
また、銀行にとっても、既存貸付が焦げつくことは避けたいものですし、貸さないという判断による地域の評判悪化も避けたいと考えるところです。
金利交渉がしやすくなる
メインバンクという関係性を作っておくと、融資残高も多い・預金残高も多いという関係性や実績の長さのなかで、金利という収益も多少下げても長い目で見て利益は確保できると考えられる可能性があります。
アドバイスを受けられる
メインバンクであれば、会社の事業の継続性にも関心を持ってくれることから、経営に関するアドバイス・コンサルティング・ビジネスマッチングというサポートが受けられる可能性もあります。
リスケジュールを進めやすい
どうしても資金繰りが厳しい場合、リスケジュール(変更条件の変更=減額・猶予)が必要な場合もあり、そのような場合にメインバンクがいることでスムーズになる可能性があります。