融資の種類には、様々なパターンがあります。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
目次
融資の種類
融資の種類としては、以下のようなものが挙げられます。
- 保証協会の保証付き融資
- プロパー融資
- 証書貸付
- 手形貸付
- 手形割引
- 当座貸越
- 社債
- ノンバンク融資
- オンライン融資
- 創業融資
- 制度融資
証書貸付、手形貸付、手形割引
証書貸付
- 長期の運転資金、設備資金など、主に返済期間が1年超の融資に用いられる
- 融資のたびに契約書、押印、印鑑証明準備などがあり、手続きが煩雑
- 毎月分割返済が基本
※数ヶ月ごと返済、期日一括返済も可能 - 据置期間の設定も可能
※据置期間のデメリット:返済実績ができず、次の融資までの期間が長くなる
手形貸付
- 銀行を受取人とした手形を振り出し、融資を受ける借り方
- 短期の融資(返済期日1年以内)で用いられる
- 事務手続きが簡単(記名押印でよい)、収入印紙不要
- 期日一括返済と分割返済とがある
※経常運転資金なら期日一括返済、納税資金・決算資金であれば分割返済など - 返済できない場合、手形不渡りとなり、銀行取引停止処分を受ける可能性あり
(実際には、手形を書き換えて更新する・証書貸付に変更するなどで対応される)
手形割引
- 受取手形を決済期日前に銀行に売却する取引
- 手形割引料が発生する(金利換算するとかなり割高)
- 手形割引が常態化すると資金繰りが悪化するため、融資を受ける方に変えたほうがよい
- 手形は割引せずに温存しておくほうがよい
- 手形割引は実行しやすく(難易度が低く)、何かのときの資金調達の手段とするほうがよい
- 基本的には、融資を優先し、その後に手形割引を考える
- 融資を受ける銀行と、手形割引を依頼する銀行を分ける
(1行にすると、融資が難しくなった場合に、手形割引も難しくなる可能性あり) - 手形の電子化が進んでいる
- 2026年をメドに紙手形が廃止される方向