銀行における決算書の捉え方②

銀行では、融資申請する企業の決算書をどのように捉えているか。

諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。

目次

融資判断においては、決算書が最も重要視される

融資の可否の判断においては、決算書は最も重要視されているといわれています。

また、傾向として、銀行の規模が大きいほど、決算書を重要視しているとされます。

決算書以外の要素(事業性など)については、信金が最も考慮してくれ(30%程度)、次に地銀が(20%程度)、最後に都銀(30%程度)、という感覚と考えられているようです。

決算書以外の要素とは、具体的には以下のようなものです。

  • 社長個人の能力
  • 社長個人の資産状況
  • 会社の商品力・技術力
  • 会社の営業力
  • 経営計画の信憑性(進捗)

銀行は決算書を補正して見る

銀行は、融資審査の際、融資申込み企業の決算書を補正して見ていると考えられています。

中小企業の場合、大企業に比べて、監査法人等による監査が入っているわけでもなく、外部の株主の目を気にしなければいけない状況が少ないという現実的な事情もあります。

銀行側では、そのような事情を加味し、融資申込みで受領した決算書の中身を洗い直し、実態としての決算書へと補正をかけているというものです。

銀行の決算書補正の傾向

保守的な融資審査をしようと思うと、銀行の補正の方針は、以下のようなものになると考えられます。

  • 資産→実態に基づき、減額補正(→結果として財務安定性への評価が保守的となる)
  • 費用→実態に基づき、減額補正(→結果として返済能力が保守的となる)

この銀行の補正については、銀行やその担当者のお客様理解や能力によって大きく変わるともいわれています。

決算書における、特に資産や費用について、その内容が真正なものであり補正(特に減額補正)の余地はないものであることを示すための説明や資料をあわせて準備・対応したいところです。

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