融資申請のタイミング②

融資申請はいつするのがよいタイミングなのか。

諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。

目次

融資申請はいつするものなのか

事業における融資申請はいつするのがよいタイミングなのか。

なんとなくで考えてしまうと、「お金がなく困ったとき」と考えがちです。

ただ、お金を貸す側の立場で考えてみると、「お金がなく困ったとき」ほど、返済してもらえるメドが経ちづらく感じますしお金を貸しにくく感じるものです。

なので、「お金がなく困ったとき」というのは、融資申請のタイミングとしては逆に避けたいところということになります。

つまり、いつするのがよいタイミングかと考えると、すなわち「貸す側が貸しやすいタイミング」ということになります。

具体的には、以下のようなタイミングが考えられます。

  1. 税務申告終了直後
  2. 手元に資金が十分なとき
  3. 赤字転落前

融資申請のタイミング②手元に資金が十分なとき

「貸す側が貸しやすいタイミング」という視点で見ると想像が容易であるとおり、借りやすいのは、「手元に資金が十分なとき」であるといえます。

とはいえ、そのような点は、意識しておかなければ、タイミングを見過ごしてしまうことになります。

手元に資金が十分にあるときほど融資する必要性を感じづらいものです。
しかしながら、いざ手元に資金が不足してからでは、銀行は二の足を踏むケースも多く、必要なときに必要な資金がなく、必要な経営判断ができないということにもなりかねません。

よって、「手元に資金が十分なときほど融資を検討する」というスタンスでいたほうがよいと考えられます。

具体的な目安としては、「手元資金が平均月商の2ヶ月分以上かどうか」であると考えられています。
逆に、1ヶ月分程度の残高ですと、手元の資金が不足している状態と見られ、したがって銀行からも二の足を踏まれる可能性も高いということになります。

手元に資金が十分なとき、どのような形で銀行に融資を申し込むかですが、「資金使途」が明確なのであればそれを伝えていくというアプローチになります。

手元資金が多すぎるときに生じる問題への対処

手元資金をさらに増やすと、非常に多い状態となってしまい、その場合の人の心理として”財布のヒモがゆるくなってしまう”という問題が生じます。

このような問題へ、どのような対策を取るべきなのか。

  • 実質手元資金(現預金-借入金残高)で見るようにする
  • 支出の予算を決め(例:交際費の月予算)、毎月モニタリングする
  • 定期預金をする
    →融資先であると解約しづらかったりするため、融資先ではない銀行にする(新しい融資先の開拓にもつながる)



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