ChatGPTとGemini、使ってみると微妙に違うということが感触として分かります。
どんな風に違っていると考えられ、どんな風に使い分けるのがよいのか。
目次
ChatGPTとGeminiの感触の違い
ChatGPTとGemini、実際に使ってみるとその”感触の違い”を感じることができます。
いうなれば、ChatGPTは”ラリー型”、Geminiは”即答型”のような体験です。
ChatGPTの使用感
ChatGPTは、会話のラリーやつながりがスムーズで、やり取りがスムーズに重なっていき、次第に考えが深まっていくという感触があります(主観です。)。
具体的には、質問に対して即答するだけではなく、追加質問をしてくれたり、文脈に沿った提案をしてくれたりと、対話を通じて答えを深めていく感じがあります。
- 曖昧な質問にも適切な追加質問を返し、段階的にラリーを重ねて深掘りしていくなかで、洗練させていく
- 柔軟で創造的な応答、例えやユーモアを交えた返答など、会話そのものに力点を起き、楽しませる工夫が見られる
- 翻訳、文章生成、アイデア出しなど、より汎用的で幅広い用途に対応可能
- 場合によっては、回りくどいと感じるときもある
- 根拠確認がしづらいと感じるときがある
Geminiの使用感
Geminiは、非常に効率的に、可能な限り一問一答で正確な情報を提供しようとするという感触があります(主観です。)。
検索エンジンの延長線のような感覚です。
- 即答性を重視しており、ユーザーが効率的に回答が得られるようにしている感じがある
- 長文テキスト対応可能性を突き止めたり、あるいは、画像や音声など複数形式の情報の統合(マルチモーダル対応)を重視しており、そもそもの問いやプロンプトを詳細に多様に入れられるように工夫している感じがある
- Google検索の技術を活用し、事実ベースの応答をしてくれ、事実確認がしやすい
- ユーザーの問い・プロンプトが曖昧な場合、期待した回答が得られない場合も多い
- 会話のラリーがつながりにくいと感じるときがある
ChatGPTとGeminiの設計思想の違いか?
この違いは、両者の設計思想の違いから来ているものかもしれないと感じています。
※ただし、事実確認できるリソースはきわめて限定的で、推測でしかない部分も多く、あくまで個人的な私の感覚です。
ChatGPTの設計思想(推測)
- Transformerベースの言語モデルであるGPTアーキテクチャを採用しており、特にその対話能力に重点が置かれている
- まるで人間と会話しているような自然な対話体験を提供することを目指していると考えられる
- インターネット上のテキストデータに加え、会話データを多く学習していると考えられる
- 過去の会話履歴をある程度記憶し、文脈に沿った応答を生成する能力に長けている
- ”対話型のAIアシスタント”と紹介しており、ユーザーが追加質問をすることでコンテキストを引き継ぎ、前後関係を理解した上でより詳細な回答や深堀りができるようにしている
- ユーザーとの自然なインタラクションを通じて、質問やリクエストに段階的に対応するAIモデルと打ち出している
- 文章生成、翻訳、要約、質問応答など、広範なタスクに対応できるように設計されており、ユーザーの意図を正確に把握するためにも、おのずから複数回の対話を必要としている(前提にしている)
Geminiの設計思想(推測)
- 検索エンジン的な「1回で的確な答えを出す」設計思想が反映されていると考えられる
- 検索エンジン由来のAIらしい「即応力」に重きを置いている
- 質問に対して、検索エンジンのように、必要な情報をダイレクトに提示するような応答をする傾向がある
- より効率的にユーザーの要求に応える(短いやり取りで答えを導く)傾向を持つ可能性が指摘されている
- Googleが持つ膨大な情報と知識をベースに構築されており、事実に基づいた情報提供において高い精度を目指しており、一度の質問に対し、正確かつ包括的な回答を提供しようとする可能性がある
- テキストだけでなく、画像、音声、動画など、複数の情報モダリティを統合的に扱えるように設計されており、より多様な情報に対応することができることが志向されている(前提にしている)
- Google検索、YouTube、Google Workspaceなど、Googleの各種サービスとの連携を強化しており、これらのサービスを通じて得られる情報を活用することで、より高度なタスクをこなすことを目指している
- 創造性やユーモアよりも、事実に基づいた正確な情報を提供することに重点を置いているように感じられる
- ユーザーが求める情報を効率的に提供することを目指していると考えられ、会話のラリーを最小限に抑え、ユーザーの時間と労力を節約することを重視している
- より効率的で実用的(ビジネス活用可能)なAIを開発することを目指していると考えられる
「自分に合うか」「シーンに合うか」で選んでいく
どちらが、”自分に合うか”、”シーンに合うか”という視点で選んでみるとよさそうです。
自分が好むタイプ、解決したい内容、場面に応じ、柔軟に使い分けることが重要であると考えられます。
ChatGPT
- 深掘りして相談したいとき
- 自然な対話体験を通じて自分の考えを深め、創造性を高めたいとき
- 新しいアイデアを出したいとき
- 議論を深めたいとき
- 解決策を一緒に模索していきたいとき
- やりとりを通じて、自分が気づいていない視点や問題点を引き出しながら進んでいきたいとき
- 明確な回答を短時間で求めている場合、やり取りが多いと煩わしいと感じる可能性もある
Gemini
- 明確な答えや短時間での情報収集をしたいとき
- 正確な情報提供や効率的な回答が必要なとき
- 時間を節約し、情報を過不足なく提示されたいとき
- 市場調査や統計データを迅速に収集したいとき
- 質問が曖昧だった場合、期待に沿わない回答になる可能性がある