同じ話が繰り返されることがありますが、”シグナル”と捉えてみたいところです。
古宮昇著「はじめての傾聴術」(ナツメ社)を参考として。
繰り返される話
他人と話していると、話し手から”繰り返される話”というものがあります。
そのようなときは、「こないだ聞きました」と答えてしまいがちです。
しなしながら、”繰り返される話”には話し手にとって意味のあるものも多いものです。
シグナル
”繰り返される話”のシグナルとして、以下のような可能性が考えられます。
その人にとって大きな意味を持つ出来事
”繰り返される話”には、その人にとっての大きな意味を持つ出来事である可能性が高いものです。
その場合、「こないだ聞きました」と答えてしまうと、話し手は自分を否定されたように感じてしまいます。
分かってくれていないのでは、の表現
話し手側に立ってみたとき、どのような場合に話を繰り返すかと考えてみると、”自分の言いたいことを分かってくれているのだろうか”と不信感を感じるときだといえます。
自分の言いたいことを分かってくれていないという不信感があるときに、分かってもらおうとして、同じ話を繰り返す、というものです。
このような場合、「こないだ聞きました」と答えてしまうと、あなたの言いたいことを理解しません、と言っているのと同じことになってします。
”同じ話”に”異なる聞き方”を試す
”同じ話”には話し手なりの意味が込められているものなので、上記のとおり、「こないだ聞きました」と返した場合、関係性が悪化する可能性があります。
古宮昇著「はじめての傾聴術」(ナツメ社)で参考になったのは、「”同じ話”に”異なる聞き方”を試す」というものです。
同じように聞いていると同じ話であると聞き手として聞きづらいことも多いですし、”異なる聞き方”を試してみたいところです。
具体的には、「質問の角度・種類を変える」というものです。
以前と聞き方を変え、異なる角度で聞いてみて、異なる質問を投げかけてみるようにする。
そうすると、話し手のなかにある”その話の真意”が、(話し手自身にとっても)より具体的に見えてくることもあり、どのような気持ちを込めて、同じ話を繰り返していたのかが分かるようになることもあります。
また、聞き手にとっても、角度を変えて聞くことによって、同じ話でありながら異なる話のように聞くこともできます。
話し手のなかに眠っている、”大事にしている気持ち”を、話し手と聞き手と共同で発掘していけるような気持ちになれれば、関係もより深まる気がします。