”心配ごと”は尽きないものですが、心配事のない人生というものもなく、うまく距離を取っていくことが大事と思われます。
河合隼雄「こころの処方箋」(新潮社)を読んで学んだこと。
目次
”心配ごと”は尽きないもの
”心配ごと”というものは尽きないものです。
しかし、一方で、心配ごとのない人などまずいないでしょう。
仮にないと言い張る人がいたとしても、その不自然さのために周囲が意外と困っていたりするものです。
共に心配する
避けるべきものでない以上、心配すべきときにしっかり心配することは必要なこと、といえます。
仮に、周囲が変に気を遣ってその心配ごとを取り上げるようなことをしてしまうと、急にその人は疎外感を感じることになるのです。
みんなで心配すべきことなのであれば、共に心配し、共に悩み、ひとりの人の重荷をみんなで分け合う輪のなかに参加しているという感覚を持てると、人生の楽しみを得ることにも繋がります。
コツは”振り返ってみること”
「心配ごと」とは、その最中にあるときには、悩んだり苦しんだり逃げたかったりします。
”心配ごとも人生の楽しみなのだ”などとは考えることができないかもしれません。
そのようなときは、すでに過ぎた”心配ごと”など振り返ってみると、「案外、人生の楽しみのうちであったかもしれない」と思えることもあるものです。
心配ごとが尽きることなどないのですし、そうなれば楽しんだ者勝ちなのかもしれません。
みんなで心配するようなことなのであれば、共に心配して重荷をみんなで分け合うくらいに落ち着いているくらいの距離感が持てるといい気がします。