Geminiには、ChatGPTのGPTsのように、ユーザーカスタマイズのAIチャットボットを作成できる「Gems」という機能があります。
ただ、ChatGPTのGPTsで作成したプロンプトをそのままGemsにコピー&ペーストしたとしても、期待通りに動作しないケースがあります。
※サムネイル画像は、Imagen3で作成しています。
GPTsのプロンプトをそのままコピペしても動かない場合がある
ChatGPTの「GPTs」とGeminiの「Gems」は、どちらもユーザーカスタマイズのAIチャットボットを作成できる機能です。
ただ、Gemsの「カスタム指示」欄に、GPTsに入っている「指示(プロンプト)」をそのままコピペしても動かない場合があるようです。
これは、以下の理由により、プロンプトに互換性がない場合があると考えられているようです。
- モデルの構造の違い
→GPTsとGemsでは、使用されているAIモデルの構造が異なることから、同じプロンプトでも解釈や処理が異なる可能性があります。 - 機能の開放状況の違い
→Gemsでは、GPTsで利用可能な一部の機能が制限されている可能性もあります。
Gems作成のコツ
「Gems」をどのように作成していくとよいか考えてみました。
Geminiに、Gemsでどのようなものを作りたいかを具体的に伝え、カスタム指示にはどのような事項を入力すればよいか相談。
例:
あなたはGems作成のアドバイザーです。
私は、商品名やサービス名やその内容を入力したら、マーケティング施策を考えてくれるGemsを作りたいと思っています。
カスタム指示の欄にはどのような指示を入力すればいいですか?
なお、マーケティング施策を考えるにあたっては、以下のようなフレームワークを参考にしながら考えて欲しいと思っています。
1:マーケティングファネル
2:AIDMA
3:3C分析
4:4P分析
5:4C分析
6:STP分析
7:RFM分析
8:なぜなぜ分析
9:5F(ファイブフォース)分析
10:SWOT分析
11:PEST分析
12:コホート分析
13:ロジックツリー
14:MECE
Gemsを新規作成して、「カスタム指示」に上記を入力した後、「Geminiを使用して指示を書き換える」機能をクリックし、Geminiがプロンプトを最適化してくれるようにする。
Gems作成の実例
今回、「マーケティングプラン策定」のGemsを作ってみました。
上記のプロセスでGemsを作成し、架空のベーグル店「ベーグル&ベーグル」のマーケティングプランを考えてもらうことにしました。
最初に、検討手順の概要を説明してくれました。
お店の情報、ありがとうございます!
「ベーグル&ベーグル」さんですね。長崎駅ビル内という好立地で、20~30代をターゲットに、こだわりの自然食材を使った高品質なベーグルを提供されるとのこと。
安心安全な食材は、特に健康志向の高い現代人にとって大きな魅力ですね。競合はチェーン店のパン屋さんとのことですが、差別化ポイントは「こだわりの自然食材」と「高品質」ですね。これをどのようにお客様に伝えていくかが重要になります。
駅ビル内という立地から、ターゲットは
- 駅を利用する通勤・通学客
- 駅ビルに買い物に来る人
- 観光客
などが考えられますね。
これらの情報を踏まえ、さらに詳細なマーケティングプランを検討していきます。
3C分析
まずは、3C分析を行い、市場環境を把握しましょう。
- 顧客(Customer): 駅利用者、駅ビル利用者、観光客など。20~30代の健康志向の高い層をメインターゲットと想定。
- 競合(Competitor): チェーン店のパン屋さん。価格競争力、品揃えの豊富さなどが強みと考えられる。
- 自社(Company): こだわりの自然食材を使用した高品質ベーグル専門店。安心安全な商品が強み。
4P分析
次に、4P分析を行い、マーケティングミックスを検討します。
- 製品(Product): こだわりの自然食材を使ったベーグル。種類、サイズ、価格帯などを検討。
- 価格(Price): ベーグル1個200円前後。競合との価格差、原価などを考慮。
- 流通(Place): 長崎駅ビル内。駅ビル内の人の流れ、 visibilityなどを考慮。
- プロモーション(Promotion): どのように顧客に認知させ、購買を促進するか。
SWOT分析
自社の強みと弱み、機会と脅威を分析します。
- 強み(Strengths): 高品質なベーグル、こだわりの自然食材、駅ビル内の好立地
- 弱み(Weaknesses): ブランド力不足、競合との価格差
- 機会(Opportunities): 健康志向の高まり、ベーグル人気の増加
- 脅威(Threats): 競合の増加、原材料価格の高騰
これらの分析を踏まえ、具体的なマーケティング施策を検討し、施策名、目的、ターゲット、内容、KPI、予算、スケジュールなどを具体的に明記していきます。
「続けてください。」と入力したところ、具体的なプランを提案してくれました。
ベーグル&ベーグル マーケティングプラン
1. 具体的なマーケティング施策
上記の分析を基に、以下のマーケティング施策を提案します。
(1)認知度向上施策
- 施策名: Instagramアカウント運用
- 目的: 写真映えするベーグルの画像や動画で、20~30代女性への認知度向上と来店促進
- ターゲット: 20~30代女性
- 内容:
- ベーグルの美味しそうな写真や動画を毎日投稿
- ストーリーズで、新商品やキャンペーン情報を発信
- ハッシュタグ(#長崎グルメ #ベーグル #長崎駅 #ベーグル専門店 など) を活用
- フォロワー限定クーポン発行
- インフルエンサーとのコラボ
- KPI:
- フォロワー数
- エンゲージメント率(いいね、コメント、保存数)
- webサイトへのアクセス数
- 予算: 写真撮影費用、インフルエンサーへの謝礼など
- スケジュール: オープン時から継続的に実施
- 施策名: 長崎駅ビル内でのサンプリング
- 目的: 駅利用者への認知度向上と試食による購買促進
- ターゲット: 駅利用者
- 内容:
- 駅ビル内の人通りの多い場所で、カットしたベーグルを配布
- チラシとクーポンを配布
- KPI:
- サンプリング数
- クーポン利用率
- 予算: ベーグルの原価、チラシ印刷費用、人件費など
- スケジュール: 週末や祝日など、人通りの多い日時に実施
(2)購買促進施策
- 施策名: 平日限定ランチセット販売
- 目的: 平日のランチタイムの集客増加
- ターゲット: 駅ビル内のオフィスワーカー
- 内容:
- ベーグル、サラダ、ドリンクのお得なセット販売
- 時間限定 (11:00~14:00)
- KPI: ランチセット販売数
- 予算: セット価格の設定、食材原価などを考慮
- スケジュール: オープン時から継続的に実施
- 施策名: LINE公式アカウント開設
- 目的: リピーター獲得
- ターゲット: 来店客
- 内容:
- 友だち追加特典としてクーポン発行
- 新商品情報、キャンペーン情報などを配信
- ポイントカード機能
- KPI:
- 友だち追加数
- クーポン利用率
- リピート率
- 予算: LINE公式アカウント運用費用
- スケジュール: オープン時から運用開始
(3)ロイヤルティ向上施策
- 施策名: スタンプカード発行
- 目的: リピーター獲得
- ターゲット: 来店客
- 内容:
- 1回の購入につきスタンプ1個押印
- スタンプが貯まると、ベーグル1個プレゼントなどの特典
- KPI:
- スタンプカード発行数
- スタンプ達成率
- 予算: スタンプカード作成費用、特典費用
- スケジュール: オープン時から継続的に実施
- 施策名: 季節限定ベーグルの販売
- 目的: 顧客の来店頻度向上
- ターゲット: 既存顧客
- 内容:
- 旬の食材を使った季節限定ベーグルを販売
- SNSで情報発信
- KPI:
- 季節限定ベーグルの販売数
- 予算: 食材原価、開発費用など
- スケジュール: 季節ごとに実施
2. 施策実施における注意点、リスク、期待効果
- 注意点:
- 各施策のターゲット層に合わせた情報発信を行う。
- 効果測定を定期的に行い、改善を繰り返す。
- スタッフの教育を徹底し、顧客満足度を高める。
- リスク:
- 競合との価格競争に巻き込まれる可能性。
- SNSでの炎上リスク。
- 新商品開発がうまくいかない可能性。
- 期待効果:
- 駅ビル内という好立地を生かし、幅広い顧客層にアプローチ可能。
- こだわりの自然食材と高品質なベーグルで、競合との差別化が可能。
- SNSなどを活用した効果的なプロモーションで、認知度向上と集客増加が見込める。
3. その他
- 上記の施策以外にも、顧客の声を収集し、ニーズに合わせた商品開発やサービス向上に取り組むことが重要です。
- 売上目標や利益目標を設定し、マーケティング施策の効果を測定することで、PDCAサイクルを回し、継続的な改善を図るようにしましょう。
ベーグル&ベーグルさんの成功を心より応援しています!