他人に動いてもらいたい場合、自分の立場からではなく、相手の立場から物事を考えて伝える能力が必要とされます。
D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)を参考にして。
フォードの言葉
D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)で紹介されていた自動車王ヘンリー・フォードの言葉はとても印象的でした。
「成功に秘訣というものがあるとすれば、それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見ることのできる能力である」
D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)より
人の行動の原動力
人の行動は、”何かを欲しがることから生まれる”といわれています。
自分がその人に何かをして欲しいと思ったとして、どれほど自分の事情や都合を訴えかけたとしても、他人からすればそれはどうでもよいことのように映ります。
人は基本的に、自身の欲求に基づいて行動し、他人の欲求には興味を持たないといえます。
人は欲しいものがあれば、多少面倒でもその面倒を乗り越えても、行動を起こし、手に入れようとする一方、他人から他人の都合を押し付けられて何かをしなければならない状況を嫌う傾向があります。
よって、他人に何かをして欲しいと思うのであれば、まずは、相手の心の中に強い欲求を起こさせる必要があります。
そのためには、「常に相手の立場に立ち、相手の立場から物事を考える」能力が必要になります。
また、重要なことは、「自分の利になり、かつ、相手の利になる」ということといえます。
相手の利になるような話をして、結果、相手の利にならなければ、こちらは嘘をついたことになってしまいます。
そのため、「自分の利になり、かつ、相手の利になる」地点を探す能力を磨くことができるかどうか、ということも重要になってきます。
ひと呼吸置いて考えてみるようにする
「常に相手の立場に立ち、相手の立場から物事を考える」能力は、日頃から心がけて磨かれていかれるものと感じます。
様々なケースが想定されますし、その様々なケースにおいて、相手の立場に立って考えて、相手の利を見つけ出すには、場数を踏む以外に方法がないように感じます。
そのため、日頃の思考に以下のようなひと手間を加えてみたいところです。
相手に何かを欲しいと思ったときには、口を開く前に、ひと呼吸置き、相手の立場に立って考えてみて、「どうすれば、相手の中に、そうしたくなる気持ちを起こさせることができるかどうか」を考えてみる。