聞く姿勢を磨くには

どんなにお世辞が上手でも、どんなに話が上手でも、「相手の話に耳を傾ける」に勝るものはないといえそうです。

D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)を参考にして。

目次

逆説的な例え

D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)のなかで、皮肉として、逆説的な例えを出されていました。

人に嫌われたり、陰で笑われたり、軽蔑されたりしたかったら、次の条項を守るに限る。
一、相手の話を決して長くは聞かない。
一、終始自分のことだけをしゃべる。
一、相手が話している間に、何か意見があれば、すぐに相手の話をさえぎる。
一、相手はこちらよりも頭の回転が鈍い。そんな人間の下らないおしゃべりをいつまでも聞いている必要はない。話の途中で遠慮なく口をはさむ。

D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)より

確かに、「他人の話を聞く姿勢」の逆を行く上記のような人がいれば、周囲から敬遠されそうに思います。

一方で、上記は、誰しもが陥るかもしれない可能性を秘めているものばかりであるようにも思います。

油断していると、ついつい自分のことばかりを話して相手の話を聞かなかったり、遮ったりすることもあります。

自己の重要感

D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)のなかで繰り返し出てくる法則性のようなものとして、「人は誰しも自分のことに最も関心があり、自己の重要感を満たしたいという渇望がある」というものがあります。

一等地に高級な店舗を構えていても、商品の仕入れが上手でも、ディスプレイ装飾が上手でも、広告宣伝に多額の経費を投入しても、いざ客が店舗に訪れたときに、対応する店員が相手の話にまったく耳を傾けずに、売りたい商品の話ばかりをしてしまったとしたら、ただその点でもって客の心は離れてしまい、客を追い出すに等しい行為へと変わっていってしまいます。

それほどに、人は、自分のことに最も関心があり、自己の重要感を満たしたいという渇望があるのだと思いますし、その相手の話に耳を傾け、相手を知ろうとし、尊重しようとすることにはお金で換算できる以上の大きな価値があるのだと感じます。

D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)で紹介されていたジャック・ウッドフォードの言葉は印象的です。

どんなほめ言葉にも惑わされない人間でも、自分の話に心を奪われた聞き手には惑わされる。

D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)より

聞く姿勢を磨くヒント

D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)から学び取ることができた聞く姿勢を磨くヒントをまとめてみました。

  • 話し上手(会話上手という意味)になりたければ、聞き上手を目指す
  • 聞き手に回る
  • 興味を持ってもらうには、まずはこちらが興味を持つ
  • 相手の話に耳を傾ける
  • 顔の表情体の姿勢
  • 一心になって聞く
  • 心から面白いと思う 
  • 相手の身になって聞く
  • 相手が喜んで答えるような質問(相手自身のこと、相手が得意にしていること)をする
  • 自分が言おうとすることばかり考えて耳が留守にならないようにする
  • すべて言い尽くした満足感を持ってもらう
  • 自己重要感を満たしてもらう

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