【体験記】JDLA「Generative AI Test」を受けてみた

先日、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する「Generative AI Test」を受検し、無事合格することができました。
この試験は、生成AIに関する基礎知識を問うものですが、出題形式が多様で、試験時間もわずか20分という超短期決戦です。

目次

JDLA「Generative AI Test」とは?

Generative AI Testは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、生成AIをビジネスの現場で安全に活用するために必要な基礎知識を試す検定試験です。

(公式ページによると、以後はリニューアルを検討しており、次回開催は未定とのこと)

項目内容
主催団体一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)
試験目的生成AIに特化した知識や活用リテラシーの確認の為のミニテスト。
生成AIを、企業で安心かつ有効に活用するために必要不可欠な知識を有しているかどうかを確認するもの。
開催形式オンラインでの実施(IBT方式、自宅で受験可能)
試験時間20分
出題形式選択式・記述式
出題範囲1. 生成AIの技術
2. 生成AIの利活用
3. 生成AIのリスク
受験資格制限なし
受験費用2,200円(税込)
合格率70~80%

シラバスと試験の特徴(私見)

生成AIの技術◆特徴
テキスト、画像、音声等の生成モデルに共通する技術的な特徴を俯瞰して理解している。
– 確率モデル、ハルシネーション
大規模言語モデルの基本構造を理解している。
– 基礎モデル (Foundation Model)、大規模言語モデル (LLM)、トランスフォーマー (Transformer)、アテンション (Attention)
大規模言語モデルにおけるモデルの学習方法を理解している。
– 教師あり学習、自己教師あり学習、事前学習、ファインチューニング
大規模言語モデルのアラインメントを理解している。
– アラインメント (Alignment)、人間のフィードバックによる学習 、インストラクションチューニング (Instruction Tuning)
大規模言語モデルにおける生成の仕組みを理解している。
– コンテキスト内学習 (In-Context Learning)、Zero-Shot、Few-Shot、Chain-of-Thought (CoT) 、サンプリング手法 (top-p など)
大規模言語モデルの性能評価について知っている。
– リーダーボード、ベンチマーク

◆動向
テキスト、画像、音声等の生成モデルの技術動向を俯瞰して理解している。
– 条件付き生成、拡散モデル (Diffusion Model)
大規模言語モデルのオープン化の動向と原因について理解している。
– オープンコミュニティ、オープン大規模言語モデル、オープンデータセット、オープンソース、モデル圧縮 (量子化、蒸留、枝刈り)
大規模言語モデルの性能を決める要素の動向と原因について理解している。
– スケーリング則 (Scaling Laws)、データセットのサイズ、データセットの質、モデルのパラメーター数、計算資源の効率化 (LoRA, Mixture of Experts など)、GPU、モデルマージ
大規模言語モデルのマルチモーダル化の動向と原因について理解している。
– マルチモーダル
大規模言語モデルの外部ツール・リソースの利用の動向と原因について理解している。
– 知識カットオフ、大規模言語モデルの知識、大規模言語モデルの不得意タスク
生成AIの発展による長期的な社会変化とその影響を理解している。
– ポストヒューマン知能 (AGI, ASI, シンギュラリティ)
生成AIの利活用◆特徴
生成AIには何ができるのかを理解している。
– ケイパビリティ
生成AIをどのように使うのかを理解している。
– 活用事例
生成AIの性能を拡張する使い方を理解している。
– プロンプトエンジニアリング

◆動向
生成AIの新たな活用方法を生み出すためのアプローチを理解している。
– 自主的なユースケース開発、情報収集源(インターネット・書籍など)、活用の探索
生成AIの活用を制限する要因を理解している。
– 生成AIの学習データ、生成AIの性能評価、生成AIの言語能力
業界に特化した生成AIの活用方法を理解している。
– LLM を利用したサービス (ChatGPT, Gemini, Claude 、その他 DeepSeek に代表される新興 LLM サービスなど)、RAG (Retrieval-Augmented Generation)の利活用、AI エージェント、ソフトウェア開発、外部ツール呼出し、クリエイティブへの応用、ドメイン固有
生成AIのリスク◆特徴
生成AIが、技術面・倫理面・法令面・社会面などで多様なリスクを孕むことを理解している。
– 正確性、信頼性、透明性、公平性、バイアス、プライバシー、セキュリティ、悪用、誤情報の拡散、プロンプトインジェクションなどの敵対的プロンプト、特定の生成AIサービスへの依存、環境問題、説明責任
生成AIの入力(データ)と出力(生成物)について注意すべき事項を理解している。
– 知的財産権(著作権、特許権、意匠権、商標権など)、肖像権、個人情報、機密情報、商用利用、利用規約

◆動向
生成AIについて、現時点では認識されていない新たなリスクの出現とそれに伴う規制化の可能性を理解している。
– 新たなリスク、規制化、継続的な情報収集
生成AIの活用に伴うリスクを自主的に低減するための方法を把握している。
– 自主対策
  • 生成AIパスポート試験と比べて、公式テキストがあってそこから出題されるといったものではないため、生成AIに関する知識をある程度本質的な理解ができていないと解けない印象です。
  • G検定に比べて、生成AIに特化している分、試験範囲は限定的、G検定に比べると数学や統計学の知識はあまり必要とされず、難易度自体もG検定よりも易しく感じました。
  • 選択式がほとんどですが、“合っているものを選べ”だけではなく、”合っているものをすべて選べ”・“誤っているものを選べ”・“誤っているものをすべて選べ”などの出問も多く、時間との戦いのなかでかなりの焦りを感じます。
  • 記述問題も出題されます。
  • 最大のポイントは「20分」という非常に短い試験時間”時間が迫ってきて、ただただ焦った”という印象。落ち着いて見直す時間はほとんどありませんでした。
  • 当然のことながら税務の知識は何ら通用せず、税理士としてのアドバンテージは皆無。

公式テキストなし!合格までの勉強について

この試験には、いわゆる”公式テキスト”が存在せず、学習参考資料・受験者使用参考書・学習参考教材が示されています。

そのため、工夫して学習計画を立てる必要があります。

私が実践した試験対策

  • ひととおり参考動画を見る。
  • G検定の知識が最強の武器になりました。G検定のシラバスと重なる部分が多くあるため、並行して勉強するのが効果的だと感じました。
  • Youtubeで解説動画を参考にする。

学習時間

10時間ほど

感想

無事、合格できました。。

出題形式が複雑なため受検後も手応えがなく、合格しているか不安でしたがどうにか、、という感じです。

試験が始まると、本当に「あっという間」に時間が過ぎていきます。

選択式も、”正しいものを一つ選べ”・”正しいものをすべて選べ”・”誤っているものを一つ選べ”・”誤っているものをすべて選べ”の主題形式の巧みさに負けずに、かつ、自信を持って回答していく必要があります。
次々と表示される問題をテンポよく解いていかないと最後の問題にたどり着けない可能性すらあります。

特に記述問題は、AIが採点しているともいわれており、簡潔に要点をまとめ、キーワードをしっかり抑えて回答する必要があります。

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