相手に話すとき、安易なポジティブ論は役に立たない場合が多いものです。
永松茂久著「人は話し方が9割」(すばる舎)を参考として。
安易なポジティブ論は役に立たない
相談事をされたとき、安易に「ポジティブに考えようよ」と言うことほど、相手の役に立たないどころか、相手の心を閉ざしてしまう言葉はないものです。
ネガティブなときはネガティブなものですし、そう簡単にポジティブに考えられるのであれば、他人に相談することはしないと思われます。
人間、必ずしもプラスの方向に行きたいときばかりではないですし、”解決したいのではなく、話を聞いて欲しい”と思って他人に話すことも多いものです。
「解決策を提示する」ではなく「一緒に考える」姿勢を持つ
「解決策」とは、諸要素を、隅々まで理解・吟味しなければ絞り出すことができないものです。
他人の話を少し聞いただけで最適な解決策が決まるとは限りません。
すべての要素を正確に話してくれているわけではありませんし、相手にとって言語化できていない感情もまだあるかもしれません。
よって、早々、最適な解決策というものは思い浮かぶものでもありません。
むしろ、「解決策を提示しなければ」という姿勢で聞くよりも、「一緒に考えよう」という姿勢で聞くほうが、相手の役に立つ場合が多いものです。
一緒に考える姿勢を持てないとき
「一緒に考える」は、簡単なようで難しいと実感します。
相手の言葉を自分の心のなかにそのまま入れ、相手の見ている風景を想像し、痛みに共感する必要があります。
言葉をそれほど発しなくとも、とてもエネルギーの要ることでもあります。
そもそも、自分の心に余裕がないとできません。
相手の話を自分の心のなかに入れて聞く余裕があるときばかりではないわけですし、そのようなときには、正直に”今は聞く余裕がない”旨を伝えた方が誠実な対応といえる気がしています。
”聞くことは難しい”と感じます。