論理的に話すことは大切なことです。
しかし、利害が決定的に対立している場合、お互いが一生懸命論理的に話したとしても結局実りはなく、逆に利害が異なることが論理的に浮き彫りになってしまう結果、関係が壊れてしまいます。
東山紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社) を読んで実践して以来15年、学んだこと。
論理と感情はリンクしていない
人に物事を分かってもらおう、説得しようとすると、論理的に説明しがちです。
しかし、論理と感情は必ずしもリンクしていないものです。
なんだか納得いかない、などというときもありますし、結果、論理的に説き伏せても、物事がうまくいかないことはありがちなことです。
論理と論理で話し合うと
論理と論理とで話し合うとどうなるか。
利害が対立しているがゆえに、相手に自分の主張を表現するための手段として論理を用いても、ただただ相手との利害が浮き彫りになるだけで、結果として、利害が異なるということが明らかになるばかりで、最終的には関係は壊れていかざるを得ません。
一方、論理と感情で話しても、なかなか話の決着はつかないものです。
それは、最終的には気持ちの問題だからだろうと思います。
論理と感情の会話を実りあるものにするには
では、論理と感情との会話を実りあるものにするにはどうしたらいいか。
東山紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社) では、「相手が感情を出してきたときは、こちらは説明をやめて、相手の感情を受け止めていくのがよい」とされていました。
確かに、相手の感情を十分に深く受け止めると、不思議と妥協案が出てきます。
これは、夫婦の会話や親子の会話などを振り返ってみると思い当たることがたくさんあります。
相手の感情を十分に深く受け止めて理解しようと努めると、その後、不思議とお互いにとって最小限のダメージで済むような案を相手と考える展開になるものです。
特に感情には論理で対抗しないことを心がけています。