守秘義務の心構え

守秘義務は、税理士などの専門職に法律で課せられた義務です。

僕は、この守秘義務こそが、専門職としての社会的な信用をかたちづくっている重要な要素のひとつだと捉えており、特に心して遵守すべきものだと考えています。

東山紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社) を読んで実践して以来15年、学んだこと。

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秘密の重さの非対称性を理解する

自分の秘密は深刻で、絶対に他人にばれたくないものだと考えます。

一方、その当人の秘密の深刻さに対して、他人は実に軽く捉えてしまいがちです。

また、人間は、自分のなかに収まりきれない話は、他人に言ってその重さを共有することで、自分のなかに収めようとする傾向があります。
(収め方がうまくいかないと心の病気になってしまいます。)

他人の秘密の「重さ」を知っている人は、積極的には他人の秘密を知ろうとはしません。
秘密というものは、自分のなかに収めるのが大変だということが分かっているからです。

逆にいえば、他人の秘密を知りたがる人は、秘密の深刻さが理解できておらず、むしろその暴露によって他人の大事なものが破壊されても構わない、破壊することに興味があるといった人ということにもなります。

秘密は話したときから風化する

精神分析の創始者であるフロイトは、秘密は話したときから風化する、と述べています。

またmフロイトは、抑圧を紐解いていくことがその人の人格を発達させる重要な契機と捉えています。

抑圧された秘密が、その人の(その事業の)課題になっていることも多く、きちんと秘密を守ってくれ、その痛みを共にしてくれる人に話していくと、時間はかかり痛みも伴うものの、自身がどのようにしていけばよいのかが少しずつ見えてくるということなのです。

こういったことは、人間の成長に限らず、社長の成長が会社の成長に直結しているといってもよい中小企業では、よく見られます。

なぜ「秘密」なのかを考える

「秘密」は、なぜ「秘密」なのか。

話をしたら解決や成長に直結する可能性もありますが、大体の場合においては、根本まで崩壊してしまう危険性があるからにほかなりません。

秘密には秘密である理由があると理解すべきです。

専門職としては、職業上そのような秘密を聞いた場合、それを抱え込んでおく「人間としての容量」が必要です。

その「人間のとしての容量」を磨くことこそが、社会的な信用を象っているといっても言い過ぎではないと考えています。

桜馬場公民館(過日撮影)。元々、戦国大名の長崎市の居城があった地区です。
確かに、この場所は、長崎の要所が見渡せ、由緒ある地区であることが分かります。



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