西口一希著「マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ」(日本実業出版社)を参考にして。
「1人が認める価値」を強化する
1人の人が認める価値をさらに強化することで、同じように価値を感じてくれるさらなる人が現れる余地は高いと考えられます。
ひととおりのマーケティング理論はすでに世の中にあるものであり、それをもとに考えたところで、競合が出す結論と同じものになってしまいます。
より強度のある便益と独自性を見出すには、「具体的な1人のお客様を徹底的に理解し、そのお客様が着目する便益と独自性とを明確にし、強化することがより有効」と考えられます。
そのことにより、同様の人を増やす可能性を広げることができます。
1人のお客様の心理を分析する
1人のお客様のことを深く分析するためには、具体的に、以下のようなことを行っていくことになります。
- インタビュー
- 店頭での購買行動の観察など
特に、直接の会話やインタビューでは、より多くの情報を得ることができると考えられます。
- 商品を知ったきっかけ
- その際、どう感じたか
- なぜその商品を買ったのか
- なぜ購入を続けているのか
- お客様の表情
- お客様の話し方
- 言葉の使い方
- 言葉の意味
- 本当に望んでいることか
また、店頭での購買行動の観察も多くの情報を得ることができます。
- 購入の際にどのような情報を目にしているのか
- 何を気にかけているのか
- 何が購入の決め手か
- お客様がその商品の何に便益と独自性を見出しているか
- どのような価値を追求すればよいか
便益と独自性の引出しを増やす
インタビューにおける把握の仕方が分かると、様々なことを把握することができます。
自社商品を購入してくれていない人へインタビューすることにより、競合他社の商品の便益と独自性を把握することができ、自社商品の差別化の道筋を考えることもできるようにもなります。
新商品開発や、便益と独自性のバリエーションを把握することもできます。
様々な便益と独自性の「引出し」が増えることで、よりお客様へ提案すべき価値の見つけ方が磨かれていくことにつながっていきます。
これにより、お客様が求める便益を起点として、カテゴリーにとらわれない発想をすることもできると考えられます。
お客様に価値を生む可能性のある便益と独自性を考え続け、仮説設定能力を磨くことにより、様々な展開をしていくことが可能になります。