西口一希著「マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ」(日本実業出版社)を参考にして。
ブランディングとは、忘却防止のこと
いざ”ブランディングとは”と言われてみると、どのような役割を持つものなのかはっきり説明することが難しい気もします。
世の中に様々な商品があるなかでは、”その商品に価値はあると分かっていても、溢れる商品のなかで忘れられしまう”といったことが起こりがちです。
ブランディングとは、”忘却を防ぐためのものである”と説明されます。
ブランディングの役割
ブランディングの役割は、ひとたび商品の価値(便益と独自性)を見出したお客様に対し、名称・デザイン・ロゴ・音楽・キャッチフレーズを通じ、記憶を呼び起こすシンボルであるとされています。
世の中には商品は溢れており、また、新たな商品もどんどんと出てくるなかで、特徴のない・独自性のない商品はどうしても人の頭の中から忘れ去られてしまいます。
再購入を検討する際に、選択肢として真っ先に思い浮かべてもらうというものです。
忘れられることを防ぎ、継続購入へとつなげていくことを目標とするとされます。
「独自性」を強化するもの
また、ブランディングとは、商品の価値である「便益」と「独自性」のうち、「独自性」を強化するものであると考えられています。
この特徴を理解しておくと、使いどころの感覚が見えてくる気もします。
ブランディングとは、そもそも「便益」は強力にあって、「独自性」を尖らせて強化したいときに効果を発揮します。
もともと強力な「便益」があって、かつ、ブランディングなどで強化した「独自性」が補強されることにより、お客様の記憶に残り、継続購入を強化する効果があると考えられます。
逆にいえば、①お客様がそもそも価値(便益・独自性)を見出していない、②そもそも商品に便益がない、といった場合には、いくらブランディングに予算を割いても効果は出ないということになります。
ブランディング=区別するという意味
ブランディングとは、そもそも牛などの家畜の焼印であったという説があります。
つまり、ブランディングには「区別する」という意味はあれど、それ以上の意味はないともいえます。
ブランディング=価値を感じた体験の想起
ブランディングとは、「価値を感じた体験の想起」であるとも説明されます。
例えば、ロゴなどはその会社の商品の象徴であり、お客様がその会社の商品を使用したときに「便益」を感じた体験を、ブランドロゴによって想起してもらう、というものです。