西口一希著「マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ」(日本実業出版社)を参考にして。
ブランドとは”価値を感じた体験の想起”
ブランドとは、”価値を感じた体験の想起”であると考えられています。
ブランドイメージとは、その人がその企業名・商品名・ロゴ・デザインを見たときに、かつてその商品を購入して感じた便益と独自性を想起し、そのときの感情がよみがえるという状況のことをいうと考えられます。
かつてお客様がその商品を購入し、満足したその「満足感」のシンボル(結晶)として「ブランド」ということができます。
つまり、”ただ単純にきれいなロゴやデザインを作っただけで物が売れるわけではない”・”ブランドそのものがお客様の信頼や満足感を生み出すわけではない”と言い換えることもできます。
”ブランド力が高い”とはどういうことを指すのか
”ブランド力が高い状態”とは、「お客様がそのブランドを見かけたときに、最初から一定の価値を感じてもらえる状態」であると考えられます。
企業名・商品名・ロゴなどを見たり聞いたりした際に、どれだけ”この企業なら”・”この商品なら”・”このロゴの商品なら”と信頼して見てもらうことができるかどうか、といった度合いであるということになります。
その企業名・商品名・ロゴなどであれば一定の便益と独自性を想起できることから、購入へとつながりやすいということです。
価値追求の歴史
今、成功例として語られる企業も、最初から「今」を明確にイメージできていたとは限りません。
そのときそのときの状況により、「何がお客様にとって価値をなり得るか」を考え抜き、お客様へ提供する価値を高めるための努力と試行錯誤を積み重ねてきた結果(価値づくりの変遷)である場合がほとんどであると考えられます。
ゆえに、成功企業の一部分を切り取って真似たとしても、同じように成功するとは限らないということになります。
まずは自分の立ち位置(自社が提供できる便益と独自性は何か、それを価値と感じてくれるお客様は誰か、そのお客様にどのように伝えるか)を認識したうえで、さらにその延長線を見据える必要があります。