製品そのものの新鮮味・成熟度によって戦い方を考える

登場当初は新鮮味のあった商品でも、時間の経過や環境の変化に伴って立ち位置が変わっていくため、戦い方も考えていく必要があります。

佐藤義典著「マーケティング戦略 実行チェック99」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考にして。

目次

製品にはライフサイクルがある

どんなに革新的な製品でも、センセーショナルに登場した当初から、やがては定着し、成熟、衰退していくことになります。

つまり、製品にも、寿命ないしライフサイクルというものがあります。

登場してから衰退するまでの期間が長い場合もあれば短い場合もありますし、逆に環境の変化(技術革新、社会のニーズの変化)によっては、衰退どころか成長期に戻るという場合もあり得ます。

同じ製品であっても、時間の経過とともにそのライフサイクルにおけるポジションは変わるため、ポジションごとに、戦略を考え直す必要が生じます。

ライフサイクル別の状況

佐藤義典著「マーケティング戦略 実行チェック99」(日本能率協会マネジメントセンター)では、そのライフサイクルにおける状況を以下のようにまとめられています。

STEP
導入期
  • 新しい
  • 認知度が低い
  • 利用者がほとんどいない
  • 普及していない
  • 顧客:情報感度が高く、新しいものに抵抗のない革新的な層
  • 競合:少ない。
  • 差別化:必要性が低い。販路・価格・売り方に違いが出る。
STEP
成長期
  • 認知が行き渡る
  • 利用者が増加していっている
  • 市場が活性化している
  • 競合の参入が相次ぐ
  • 顧客:新しいものに比較的抵抗がない層(革新的な層よりも人数が圧倒的に多くなる)
  • 競合:新規参入が相次ぎ、製品の認知度も高まる。数量が伸びるため価格も落ち着いてくる。
  • 差別化:後発企業が先発から改良して製品を投入してくる。技術革新が活発になる。使いやすさによる競争が生まれる。
STEP
成熟期
  • さらに認知期が行き渡る
  • 製品の普及が行き渡る
  • 成長率が頭打ちになる
  • 顧客:保守的な一般層も加わる。製品の認知は行き渡る。
  • 競合:競合構造が固定化し、シェアの変動も小さくなる。新規参入が止まる。
  • 差別化:基本機能での差別化は困難になる。価格・ブランド・デザインがポイントになる。
STEP
衰退期
  • 需要が減少する
  • 市場規模が縮小する
  • 淘汰が本格化し、撤退も相次ぐ
  • 顧客:新しいものへの抵抗が最も大きい層も加わる。マニア層の買い替え需要が生じる。
  • 競合:シェアの順位が固まり、勝ち負けが決まってくる。
  • 差別化:勝ち組のブランド価値が高まる。

ライフサイクル別の対応策

導入期(無名の時代)

  • 革新的なものを好む層をターゲットに考える(その次の層に繋いでもらう)
  • 価格戦略①:圧倒的低価格でシェアを奪い、その後に正常価格に戻す
  • 価格戦略②:高価格で徐々に理解・浸透させていく

成長期(新規参入の時代)

  • 先手を打って、差別化された製品をいかに早く投入できるかが鍵

成熟期

  • コスト効率を高めて価格競争に備える
  • 差別化しにくい状況でいかに差別化するか(=デザインの重要性)

衰退期

  • 残った顧客をいかに確保できるか
  • 新たな用途・市場を見つけて再び成長期へと繋げられるか

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