競合といえば、同業他社をイメージしがちですが、そうではないと考えたほうがよいと思われます。
佐藤義典著「マーケティング戦略 実行チェック99」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考にして。
競合は誰が決めるのか
競合の動向をリサーチすることは、自社の出方を考えるうえで重要です。
では、自社にとっての”競合”は誰なのか。
一般的に”同業他社”をイメージしがちですが、果たしてそのような見込みでよいのかどうか。
”同業他社が競合である”ということが、消費者にとっても同様の感覚であれば問題ないのですが、一般的にはそうではないことのほうが多いといえます。
往々にして”同業他社が競合である”であるという認識は、売り手視点によるものです。
しかしながら、実際に物を選び、検討し、購入を決定するのは買い手である消費者です。
買い手(消費者)という立ち位置から”競合”を考えてみると、競合相手が誰なのかは変わってきます。
例えば、マクドナルドにとっての競合がロッテリアやモスバーガーかどうか。消費者にとって、”手軽な昼食”という視点で選択肢として浮かぶのは、必ずしもロッテリアやモスバーガーとは限らず、吉野家などの牛丼チェーン、弁当屋、コンビニ、スーパーなども挙げられます。
買い手(消費者)の選択肢として浮かぶ会社こそが、自社にとっての競合であると考えられます。
買い手に浮かぶ選択肢のなかで競合し、そのなかから勝ち抜いてこそ、購入へと繋がるからです。
戦いやすさについて考える
競合などと、”戦いやすい場所で戦えるかどうか”が重要です。
自社にとっての”戦いやすい”は、以下のような要素で決まります。
- 競争が激しくなく、価格競争に巻き込まれずに済むかどうか
- 自社の強みが活き、十分に差別化できるかどうか(競争が激しくとも)
戦場を変える
競合との”戦場”を変えることができるかどうか。
以下のようなことがあれば、その”戦場”を変える・変えていくことができます。
- オンライン販売へ進出する
→戦場が”全国”となる - ターゲット顧客を変える
→ターゲットが変われば、戦い方が変わる(若い層へ売りたいか、高齢者層で売りたいかによって、見せ方も見せる媒体も変わる) - お客様の”イメージ”を変える
→お客様が”選択肢として浮かべてもらえるシーン”が変われば、競合は変わり、戦場は変わります。
戦場が変わる
競合との”戦場”を変わることがあるのかどうか。
将来どうなっていくかによって、”戦場”が変わることがあり得ます。
- 業界の成熟度合いはどうか
- 消費者の価値観(何に価値を置いているか)はどのように変化しているか
- 技術の進歩はどうか・技術革新はあり得るか
- 新たな競合は出現する可能性はあるか