他人に感謝できる人もいれば、感謝できない人もいます。
その違いはどのような心の違いによるものなのか。
河合隼雄「こころの処方箋」(新潮社)を読んで学んだこと。
目次
感謝するには心の強さが必要
他人に感謝できる人もいれば、感謝できない人もいます。
その差は何なのか。
そもそも、他人に感謝できるということには、ある程度、心が強くなければできないことなのかもしれません。
「感謝できない」心理
「感謝できない」心情というものは、どのようなものなのか。
河合隼雄「こころの処方箋」(新潮社)から、その心理を整理してみると。
- 他人から恩義やサポートを受けた事実・現実を認めることができず、認めてしまうと自分の存在が脅かされるように感じてしまう
- 目の前の不安・災難に次々と対応しなければならず、たえず心の余裕がない
- 自分はいつも不幸なので、たまには助けがあっても当然、と考える
- 自分の不幸に比べれば、受けた助けでは少なすぎると感じる
- 人対人として考えられず、自分は世界から不遇なので、助けがあっても当然と考える
- サポートを受けたことを、上下関係の「下」と捉えてしまい、素直になれない
- サポートを受けたことを、「重荷」と感じる
- 「感謝」を持ち続ける強さを持っておらず、つい「すみません」を連発してしまう
- 大げさに(不必要・不適切なほどに)形式的な感謝の言葉や贈物をし、あるべき適切な感謝とあえて向き合わないようにしている
人の心の強さを知る尺度になりうる
確かに、自分に余裕がなければ、強さがなければ、他人に感謝することができない気がします。
自分が受けた恩義を、適切に捉え、感謝の気持ちを持つということは、それによって、なんら”自分の存在は脅かされることがない”という心の強さを持っていないとできないこと。
河合さん曰く、適切な感謝をする力がある・できるようになる、ということは、人の心の強さや成長を知ることができる尺度ともいえる、とは、まさにそうなのかもしれません。