現在(2020年10月17日時点。)、長崎県は、県内の製造業・機械設計業の設備投資等のための補助金として、「長崎県成長産業ネクストステージ投資促進補助金」を出しています。
特に造船、プラント、IoT等のデジタル技術を活かした稼働状況可視化などへの設備投資を考えている事業者の方にとっては、検討の余地があります。
「長崎県成長産業ネクストステージ投資促進補助金」の概要
補助金の趣旨は、新型コロナウイルス感染症の影響による業務の見直しや新規需要の獲得に向け、県内の製造業・機械設計業を営む企業の取組みを支援していくものです。
長崎県のHPに、パンフレットや募集要項などが公開されています。
例えば、長崎県では、2019年末、三菱重工業が、長崎市内に持つ2つの造船所のうち主力の香焼(こうやぎ)工場を売却する方針を発表したことで、特に長崎市内で船舶に関連する事業を行っている事業者が対応を迫られていたなか、2020年初めには新型コロナウイルス感染症の影響によって船舶関連事業の見通しが見えなくなっています。
本補助金は、こういった事情も踏まえ、船舶のほか、半導体、ロボット、IoT、医療などに関わる製造業・機械設計業の新たな取組みを支援するものです。
詳細な内容
対象業種
2つタイプがあり、「生産性向上タイプ」(提出書類が比較的簡易で、主に中小企業向けのもの)、「県内調達拡大タイプ」(補助額がより大きく、主に大企業向けのもの」があります。
業種は、製造業または機械設計業に限られており、1年以上の事業実績が必要とされています。
対象分野・経費
対象となる分野は、以下の分野の事業とされています。
このうち、IoT関連は、具体的には、情報のデジタルデータ化、設備稼働状況の可視化による稼働率の向上、従業員のデジタルスキル向上のための研修などが挙げられています。
募集要項に、以下の一覧があります。
設備投資に限らず、開発、改修、販売開拓など多岐にわたる項目が網羅されています。
募集期間
事業実施期間
交付決定日後~令和3年2月28日
※事業の必要性や緊急性の観点から、やむをえない場合には、交付申請書とあわせて事前着手届出書を提出することにより、令和2年7月17日以降発生した経費についても補助対象経費とすることができるとされています。
また、「県内調達拡大タイプ」のなかで、国の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」に申請したものについては、国の承認を得た事前着手日から交付決定の前までに発生した経費についても補助対象として認める場合があり、その場合には、国補助金の採択を受けたもについては補助対象とならないとされています。
※事業内容や投資規模など、やむをえず令和3年2月28日までに事業を完了することができないことが明らかである場合には、事業完了期限を令和3年12月末までとする申請も認める場合もあるとされています。
提出書類
提出書類は、長崎県の該当HPに公表されています。
このうち、補助事業計画書については、タイプ別に、以下の要件を満たす計画を立てる必要があります。
まとめ
補助金については、知っているか知らないかによって経営判断に大きく影響するところです。
特に、アフターコロナを見据え、攻めの一手を考えるための設備投資を検討している長崎県内の製造業または機械設計業の方にとっては、ぜひ押さえておきたい補助金です。