経営数字を”自分ごと”で考える②

経営数字を勉強しようとすると”教科書的”なものになりがちですが、”自分ごと”で考えることができなければ経営に役立てることができません。

小山昇著「社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!」(すばる舎)を参考にして。

目次

教科書と実践は別もの

経営数字の勉強をしようとすると、立ちはだかる大きな壁があります。

それは、大体の経営数字に関する書籍等は、”教科書的である”ということ。

目の前の事業活動に忙殺されながら経営数字のことを知ろうとして、それが”お勉強”になってしまうと、長続きできません。

いつしか経営数字のことを知ることをやめてしまい、”どんぶり勘定”に陥ってしまいます。

実践で生きる「経営数字」は、書籍等からさらに自分の事業に実践的に当てはまるようにカスタマイズされたものである必要があるのです。

「利益を2倍にする」は「売上を2倍にする」ではない

「利益を2倍にしたい!」と思ったとしても、それは必ずしも「売上を2倍にしなければならない」わけではありません。

これも、教科書的にいえば当たり前といえば当たり前のことではあるかもしれません。

しかし、生身の経営のなかにいると、心情的に、なんとなくですが、そのように感じる感覚も分かる気がします。

利益を2倍にしなければいけない!と思うと、売上を2倍にしなければならない!という感覚に陥ってしまいがちになります。

しかしながら、実際には、”利益を2倍にする”にあたっては、必ずしも、売上が2倍必要というわけではありません。

それは、経費の性質によるものです。

売上が伸びることによって単純に増加する経費(仕入など)もあれば、必ずしも比例的に増加するわけではない経費(人件費、家賃など)もあるためです。

であれば、売上を2倍にしなくとも、利益が2倍になること十分にあり得るといえます。

「粗利(売上から仕入などを引いた利益)」が2倍になれば最終的な「利益」もほぼ2倍になるため、要は粗利を2倍にすればよいということであり、それは売上が2倍にならなくとも達成できる場合がほとんどなのです。

これを理解しないままでいると、弊害があるのです。

銀行にも根拠を持って自社の方針を説明することができないですし、社員に過剰な目標を強いることにも繋がります。

社員も、会社が掲げた目標に本気度や根拠が感じられなければモチベーションも上がらず、無用な値引きなどでの売上確保に走り、結果として、会社に対して一生懸命になってくれる人もいなくなってしまうかもしれません。

自分が理解していないものは、他人に伝えることができない

会社がその目標を掲げるということは、経営者自身がその目標に対して根拠を持ち、本気である必要性があります。

そうでなければ、社員や銀行などの協力をうまく得ることができないからです。

社長がなんとなくで目標を掲げていると、社員もなんとなくでしか目標を見てくれなくなります。

自分自身が理解できずにいるものは、他人にも理解してもらうことができません。

そのような意味でも、みんなの共通言語である利益などの数値目標には、理解する姿勢が必要なのだといえます。

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