経営の3要素といわれる「ヒト」「モノ」「カネ」のうち、最も重要な要素は何か?
作間信司「一倉定の社長学」(プレジデント社)を参考として。
経営の3要素のうち、最も重要な要素
経営の3要素といわれる「ヒト」「モノ」「カネ」ですが、どれが最も重要な要素といえるのか。
「ヒト」については、「モノ」「カネ」の後から出来上がってくるもので、むしろ「ヒト」が多い場合には、組織が硬直化しないよう、より経営者の意識が試されるところでした。
「カネ」については、有事の際には重要性は増します。平時をベースに考えると、最初の元手となるものが必要ではありますが、逆に「カネ」のみあっても事業が成長することはありません。
やはり、お客様に買いたいと思ってもらえる「モノ」(=価値)を持ちうるかどうか、が事業にとっては最も重要といえそうです。
お客様が買いたいと思う価値あるものの探求
お客様に買いたいと思ってもらえる「モノ」(=価値)を持ちうるかどうか。
そこがしっかりとしていれば、事業は成長していきますし、「カネ」も「ヒト」もその後についてきます。
お客様に買いたいと思ってもらえる「モノ」(=価値)は、どのようにすれば見出すことができるか。
これは、事業における最大のテーマといえるかもしれません。
一つ確実なことは、”お客様に接することでしか分からない”ということだと思います。
”何を欲しいと思っているのか。”
”何に困っているのか。”
”何が不満なのか。”
”もっとワクワクしてもらえるものは何か。”
”もっと楽しいと思ってもらえるものは何か。”
”もっと安心と感じてもらえるものは何か。”
これらは、お客様に聞けばすぐ分かるものもあれば、そうでないものもあります。
お客様のなかで顕在化しているもの(お客様のなかですでに意識できており、言語化できているもの)ばかりではないからです。
お客様の、声にならない声を感じ取ることも重要です。
社外にしか利益は存在しない
創業当初は、経営者はお客様のもとを駆け回りながら、「お客様に価値と感じてもらえるもの」を探るのですが、少しずつ規模が大きくなってくるにつれて、管理業務も比重を増してくるものです。
たとえそうであっても、確実にいえる事実は、「社内には利益は存在しない」ということだろうと思います。
会社が稼得すべき”利益”は、常に社外にあります。
社外にある”利益”を、自社の貢献によって金銭という形で社内に稼得してこれるかどうか。
そのような意味でも、経営者の意識として、常に社外に目を向け、常に社外を駆け回る必要があります。