諫早の天祐寺の特別拝観、毎年紅葉の時期に1週間程度しか見ることができないためとても貴重です。
諫早の天祐寺とは
長崎県諫早市にある天祐寺。
諫早家の菩提寺であり、墓所には初代龍造寺家晴公から十八代家興までの墓があるという非常に由緒あるお寺です。
境内には大きな銀杏の木があり、秋には紅葉がとても美しい場所です。
紅葉すると、以下のような感じ。
2023年の特別拝観
2023年の特別拝観、現在開催中です。
期間はなんと1週間ほど。
毎年、紅葉の時期のみなのです。
絵以前に、お寺のなかが素晴らしかったです。。
絵も生き生きとしていて、とても素晴らしいです。
聖母子
なかでも注目は、「聖母子」。
日本画家の松平莉奈氏の作品。歴史学者、呉座勇一先生の配偶者。
この「聖母子」という作品、天祐寺さんが2020年に松平莉奈氏に依頼し、奉納されたものだそうです。
そして、2023年9月に開眼法要されたばかりだそう。
この「聖母子」、歳暮マリアとイエスを主題とし、東洋画の水月観音像を参考し、観音菩薩や善財童子とオーバーラップさせているそうです。
長崎といえば、隠れキリシタン・潜伏キリシタンが有名です。
一方で、キリスト教が伝来したばかりの頃は、長崎では、逆に仏教が禁止され、多くの寺社が破却されたりもしています。
この絵の制作の背景としては、「もしもキリスト教が禁止されることなく、仏教が禁止され続けたなら、仏教徒は潜伏仏教徒となり、聖母マリアを観音菩薩として密かに礼拝したのではないか」という仮定・空想から始まったのだそうです。
潜伏キリシタンの”マリア観音”ならぬ、潜伏仏教徒の”観音マリア”ということですね。
この「聖母子」、実際に見ると、とても生き生きとしていて、今にも動き出しそうですらあるのです。
とてもすごい出来栄えでした。