「孫氏の兵法」から学べること。
目次
50)軍争編/風林火山
原文
故兵以詐立、以利動、以分合爲變者也、故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山、難知如陰、動如雷震、掠郷分衆、廓地分利、懸權而動、先知迂直之計者勝、此軍爭之法也
書き下し分
故に兵は詐を以もって立ち、利を以て動き、分合を以て変を為す者なり。
故に、其の疾きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く、
知り難きこと陰の如く、動くこと雷震の如く、郷を掠めて衆を分かち、地を廓(ひろ)めて利を分かち、権を懸けて動く。
先ず迂直の計を知る者は勝つ。此れ軍争の法なり。
戦とは、敵を欺くことが基本原則であり、利益のあるところを求めて行動し、軍を分散させたり集結させたりして、様々な変化を起こしていくべきものである。
なので、行動の速いことは風のようであり、待つことは林のようであり、いざ侵略の激しさは火のようであり、動かないことは山のようである。
自陣が分からないようにすることは影のようであり、そこから突然行動することは雷鳴のようである。
村で物資を奪うときには兵を展開させ、土地を奪って広がる場合は要所を押さえて守り、権謀を巡らせながら行動するのである。
このように、敵よりも先手を打ち、遠回りの道が近道になるような謀をほどこす「迂直の計」を知っている者が勝つのである。これが軍争の法なのである。