孫子の兵法(77~78/行軍編)

「孫氏の兵法」から学べること。

目次

77)地形編/「走」「弛」「陥」「崩」

原文

夫勢均、以一撃十曰走、卒強吏弱曰弛、吏強卒弱曰陷、大吏怒而不服、遇敵懟而自戰、將不知其能曰崩

書き下し分

夫れ勢均しくして、一を以て十を撃つを走と曰う。
卒強く吏弱きを弛と曰う。
吏強く卒弱きを陥と曰う。
大吏怒りて服せず、敵に遇えば懟(うら)みて自ら戦い、将其の能を知らざるを崩と曰う。

敵と味方の力が拮抗しているにもかかわらず、味方1に対して敵10の力と戦ってしまった場合、軍隊は敗走する軍である「走」という。

兵は強いのに将が弱い軍隊を「弛」という。

将は強いのに兵が弱い軍隊を「陥」という。

将と幹部との仲が悪く敵に遭遇すると将の司令に従わない、将も幹部の能力を認めない、といったような軍隊を「崩」という。

78)地形編/「乱」「北」

原文

將弱不嚴、教道不明、吏卒無常、陳兵縱橫曰亂、將不能料敵、以少合衆、以弱撃強、兵無選鋒曰北、凡此六者、敗之道也、將之至任、不可不察也

書き下し分

将弱くして厳ならず、教道明らかならず、吏卒常無く、兵を陳(つら)ぬること縦横なるを、乱と曰う。
将敵を料(はか)ること能わず、少を以て衆に合わせ、弱を以て強を撃ち、兵に選鋒無きを北と曰う。
凡そこの六者は、敗の道なり。
将の至任にして、察せざるべからざるなり。

将が弱くて厳しさがなく、兵への指示も不明確で、部将や兵にも規律がなく、陣を敷く際の配置もでたらめな軍を「乱」という。

将が敵情を正しく精査することもできず、少数の兵を多数の兵と戦わせたり弱い軍で強い軍を攻撃させたり、精鋭部隊を持つことができないような軍を「北」という。

以上6つは敗北に至る道であり、このようにならないようにするのが、将の重要な任務である。

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