孫子の兵法(11~12/作戦編)

「孫氏の兵法」から学べること。

目次

11)作戦編/戦さは消耗戦であることを知っておく

原文

善用兵者、役不再籍、糧不三載。取用於國、因糧於敵、故軍食可足也、國之貧於師者、遠輸、遠輸、則百姓貧、近於師者貴賣、貴賣、則百姓財竭、財竭、則急於丘役、力屈財殫中原、内虚於家、百姓之費、十去其七、公家之費、破車罷馬、甲冑矢弩、戟楯蔽櫓、丘牛大車、十去其六

書き下し分

善(よ)く兵を用うる者は、役(えき)は再びは籍せず、糧は三度載せず。
用を国に取り、糧を敵に因る。
故に軍食足るべきなり。
国の師に貧なるは、遠く輸(おく)ればなり。
遠く輸れば、百姓貧し。
師に近き者は貴売し、貴売すれば、則ち百姓は財竭(つ)く。
財竭くれば、則ち丘役に急なり。
力は中原に屈き財殫(つ)き、内家に虚し。
百姓の費、十に其の七を去る。
公家の費、破車罷馬、甲冑矢弩、戟楯蔽櫓、丘牛大車、十に其の六を去る。

戦さをうまく運ぶ者は、民に対して二度も兵役を課すことはないし、三度も食料調達をしない。
武器などの軍需品は国内で調達し、それ以外の食料などは現地で調達する。なので国内が食料不足に陥ることがない。

国が戦さのために疲弊するのは、遠くまで食料などを補給することになるからである。遠くまで送ると、民はその負担で貧しくなってしまう。
まして、もし戦さが近くで行われることになると、その地の物価は上がり、民の蓄えはなくなってしまう。そうなると、国は軍費を民から調達することに苦労することになる。

こうして国と民が苦しくなると、軍隊の戦力も尽きてしまい、国の財政も尽き、民も貧しくなる。

民の財の70%ほどが失われ、国の財政・戦車・馬・甲冑・弓・戟・盾など・輸送用の牛・大車などが60%ほど失われる。

12)作戦編/相手のものを利用する

原文

故智將務食於敵。食敵一鍾、當吾二十鍾、キ秆一石、當吾二十石

書き下し分

故に智将は務めて敵に食(は)む。
敵の一鍾を食むは、吾が二十鍾に当たる。キ秆一石は、吾が二十石に当たる。

なので智将は、遠征したならできれば敵地で食料を調達し、兵を養おうとする。

敵の食料1鍾を食べるのは、自国から調達する食料の20鍾に相当する。敵地で調達した牛馬の飼料(豆がら・藁)の1石は、自国から調達するものの20石に相当する。

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