「孫氏の兵法」から学べること。
目次
114)用間編/重要人物の情報収集
原文
凡軍之所欲擊、城之所欲攻、人之所欲殺、必先知其守將左右謁者門者舍人之姓名、令吾間必索知之
書き下し分
凡そ軍の撃たんと欲する所、城の攻めんと欲する所、人の殺さんと欲する所は、必ず先ず其の守将・左右・謁者・門者・舎人の姓名を知り、吾が間をして必ず索(もと)めてこれを知らしむ。
攻撃対象となる敵軍、城、人物に関しては、必ず事前に、守備する将軍・その側近・取次者・門番・従者の姓名や人物を知り、味方のスパイに必ずそれらの人物の情報を詳細に調べさせるようにすべきである。
115)用間編/逆スパイ(反間)
原文
必索敵人之間來間我者、因而利之、導而舍之、故反間可得而用也、因是而知之、故郷間内間可得而使也、因是而知之、故死間爲誑事、可使告敵、因是而知之、故生間可使如期
書き下し分
必ず敵人のの来たりて我を間する者を索(もと)め、因りてこれを利し、導きてこれを舎にし、故に反間を得て用うべきなり。
是に因りてこれを知る。
故に郷間・内間得て使うべきなり。
是に因りてこれを知る。
故に死間誑事(きょうじ)を為して、敵に告げしむべし。
是に因りてこれを知しる。
故に生間期の如くならしむべし。
戦う前からこちらの情報を探りに来ている敵のスパイを必ず見つけ出し、逆にその者に利益を与え、味方へと誘い込み、逆スパイとして用いるようにすべきである。
この逆スパイによって、さらに現地スパイや官邸スパイを得ることができ、それらをうまく使えるようになる。
逆スパイによって、敵の情報はよく分かり、デマを流す役の決死のスパイにデマを流させ、偽りの情報を敵に流し込むことができる。また、敵国の情報を味方に帰ってきて報告する役のスパイを予定通り、味方の国に戻すこともできる。