AIにレビューを依頼しようとするとき、「何かいい感じでお願いします」と曖昧に頼んでしまうと、満足できる答えが得られないことが多いものです。AIは明確な指示や判断基準があってこそ、その力を最大限に発揮します。
AIに漠然と依頼しても、当たり障りのない答えが返ってくる
AIに対して「何かいい感じにレビューして」と漠然と依頼してしまうと、以下のような問題が発生しやすくなります。
- 返答が平凡
→AIは広いデータを基に答えを出すため、質問が具体的でない場合には「平均的な」答えにとどまる - 意図を汲んでくれない
→意図を理解してもらうために指示が必要(あるいは、明確にするためにいったんAIに質問を出してもらう) - 依頼者の期待とのズレ
→ユーザーエクスペリエンスについての理解が(特に感情面が)浅く、役に立たない場合がある
このことから、AIにレビューを依頼する場合には、その出力の質を高めるためにも、「判断基準」の提供が必要と考えられます。
判断基準が結果を変える理由とは?
では、なぜ「判断基準」が必要なのか。
また、「判断基準」を設定することで出力がどのように変わるのか。
AIの特性上の問題
AIは膨大なデータを基にして出力を行うということが大きな特色です。
”何を重視するか”が曖昧である場合には、膨大なデータのなかから当たり障りのないデータを取り出してきて提示するということになります。
逆にいえば、「判断基準」を提示することで、AIはどの観点を優先するべきかを理解することができ、膨大なデータからより適切な回答が期待できるということになります。
「意図」との一致具合
判断基準がない場合、高確率で、依頼者の意図や期待とズレることになります。
重視したい部分や気持ちが明確でない場合、AIは、他の要素(文法など)を重視してしまうことになります。
「目的」との一致具合
「判断基準」とは、依頼者の「目的」であるともいえます。
「目的」とは、依頼者の行きたい方向性と言い換えることができます。
「目的」が明確になることにより、AIはその目的に合った結果を出しやすくなります。
結果の一貫性を保つ
AIに複数回依頼する場合でも、依頼者が判断基準を明示していない場合、AIもその判断基準を知らないことから沿うことができず、出力のたびに内容がブレるということにもなります。
依頼者が判断基準を明示することで、一貫性のある出力を期待することができます。
時間の無駄の防止
漠然とした依頼では、出力のたびに訂正や追加などの調整が必要になることになります。
判断基準を設定することで、初回から質の高い結果が得られやすくなります。
判断基準の具体例と活用法
具体的な判断基準として、以下のようなものが挙げられます。
広告物チェック
- ターゲット適合性
- インパクトの強さ
- メッセージの明確さ
- ブランドの一貫性
- ビジュアルの質
禁止ワードチェック
- コンプライアンス違反の有無
- 禁止ワードの有無
- 誤解を招く表現はないか
- 過度に感情的な訴求を避ける
ウェブサイトとコンテンツの評価
- ターゲットにとっての関連性・有用性
- 情報の正確性
- SEOフレンドリーかどうか
- オリジナリティの有無
- 視覚的魅力
市場調査
- 市場規模の正確性
- 競合分析の深さ
- 消費者トレンドの特定
- レポートの視覚的魅力
- データソースの信頼性
財務データ分析
- 売上成長率
- 利益率の適正性
- 負債比率と財務健全性
- キャッシュフローの分析
- 投資収益率(ROI)
- コスト削減効果の提案
- 財務リスクの指摘
全般
- 分析の深さを指定する(簡易か詳細か)
- 問題点の指摘とともに、改善提案、解決策、解決ステップも依頼する
- 出力形式を指定する